グローバル株式動向と中国リスク

Market Overview 

比較チャート

10月の米雇用統計は市場予想を総じて上回る内容(非農業部門雇用者数変化:13.7万人→27.1万人へ増加、失業率:5.1%→5.0%へ低下、平均賃金:0.2%→0.4%へ上昇)となり、「12月利上げ」観測を強めた。
米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは、一時2010年5月以来となる0.96%台の水準へ到達。各利回りゾーンも上昇したことを受け外為市場ではドル高圧力が強まり、ドルインデックスは今年4月15日以来となる99.34レベルまで急伸する展開となった。
一方、米国株式は売り買いが交錯するも大きく値崩れする展開とはならず、堅調地合いを維持。「米金利上昇+株高」を背景にUSD/JPYは123円台維持したまま本日の東京時間を迎えている。

Fundamentals Analysis Highlights

今週、最も注視すべきはグローバル株式市場の動向にあろう。先週の主要な株価指数の状況を週間騰落率で確認すると、中国上海総合(前週比+6.13%)を筆頭に、トルコ(同+3.17%)、インドネシア(同+2.50%)そしてブラジル(同+2.29%)といった新興国株式の堅調さが目立った。また、リスク選好の先導役である米国株式市場も6週連続での株高となった。
上記の雇用統計の結果を受けイエレンFRBによる「12月利上げ」観測が台頭する中、米国株式をはじめとしたグローバル株式市場が株高トレンドを維持できれば、利上げへの耐性が強まってきたと市場参加者は認識しよう。
「株高+米金利上昇」を背景に外為市場では12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前まで「ドル高・円&ユーロ売り」の展開が継続しよう。シカゴIMM市場では今月に入り円&ユーロのショートポジションが徐々に積み上がり始めており、外為市場に参戦している投資家がドル先高観を意識し、ドルロングを構築し始めていることを示唆。

ただ、上図チャート(青:MSCI World Index 赤:CRB指数青:MSCI World Index 赤:CRB指数青:MSCI World Index 赤:CRB指数青:MSCI World Index 赤:CRB指数)が示すように世界経済(特に中国経済)のデフレギャップ(=過剰供給)が意識され、商品市況は低迷傾向が続いている(=世界的な緩和レース以上にファンダメンタルズ面での先行き不透明感が意識されている)。このような歪なマーケット状況下での米利上げ観測の再台頭は、政治・経済面で脆弱性を抱える新興国市場の波乱要因となり得る。また、過度のドル高進行となれば、米企業へのネガティブインパクトが意識され、米国株式の圧迫要因となろう。

Today’s Outlook

本日の外為市場は、株式にらみの1日となろう。株高維持ならば上述した通り「ドル高・円&ユーロ売り」の展開が継続しよう。

ただ、上記の比較チャートのかい離が示す通り、現下のマーケット状況は「金融緩和VS低迷するファンダメンタルズ」という様相(歪な様相)を呈している。後者の点(低迷するファンダメンタルズ)で気になるのはやはり中国経済の動向だろう。8日に発表された中国の10月貿易統計で輸入がマイナス18.8%(前年比)に落ち込む等、内需縮小傾向は一段と深刻化していることが判明。今週10&11日にも同国の重要指標の発表が控えており、警戒感から資源関連アセットが株高トレンドに水を差す可能性は否定できない。米利上げ観測や商品市況の状況を鑑みるに、資源国通貨は対ドルで上値の重い展開を想定しておきたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:レジスタンスポイント 123.59:リトレースメント76.40%
サポート 122.14:5日MA(赤ライン) 122.00:サポートポイント

短期的に上昇トレンドを維持する可能性大。目先はリトレースメント76.40%を突破し、124円台への再上昇を想定。
ただ、そのまま125円台を目指すかどうかは株式動向次第となろう。123.80にはストップ、124.00には厚いオファーが観測されている。
一方、下値は目先、122円台の維持が焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.0915:10日MA(赤ライン) 1.0900:レジスタンスポイント
サポート 1.0700:ビッド 1.0650:サポートポイント

攻防分岐の1.08をも完全に下方ブレイクしたことで、1.0650レベル(=4月下旬安値レベル)が次の下値焦点として浮上。
RSIの動向を考えるならば1.0650レベル前後で一度ショートカバーが入る展開が想定される。ただ、10日MAを突破しない限り、常にダウンサイドリスクを警戒する日々が続こう。

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