米株の動向を注視

アナリストの視点-株高主導のリスク選好継続

トレーダー

8日もグローバル株式市場は、米金融引締めリスクとドル高リスクの後退を背景にリスク選好優勢の状況が継続。ダウ平均は2014年12月下旬以来となる5日続伸の展開となった。また、NY原油先物価格も一時50ドル台に到達する局面が見られた。海外外為市場では、引き続き資源国通貨が堅調に推移。AUD/USDは9月米連邦公開市場委員会(FOMC)後の下げ幅を埋める展開となれば、NZD/USDは8月下旬の中国ショック以来となる0.67レベルを視野に続伸。USD/CADは節目の1.30トライの状況が継続した。

8日に公表されたFOMC議事録(9月16-17日開催分)によれば、9月利上げ見送りの主因は、国内の低インフレ状態と中国をはじめとした新興国経済の低迷であると言及。また、ドル高が米国経済に及ぼす影響(=企業収益の圧迫 / インフレの押し下げ)についても懸念を示してきた。議事録発表後、米金利のファーストアクションは低下で反応。連日の株高もあり低下幅は限定的となったものの、金融政策の方向性を織り込みやすい2年債利回りは8月下旬の中国ショック発生時の水準である0.65%前後でキャップされた。また、FF金利先物市場では10月利上げ確率が5%まで低下、12月のそれも38%程度までしか織り込んでおらず、イエレンFRBが指摘している年内利上げについて疑心暗鬼になっていることがうかがえる。

現在の円相場は、株高のみに頼ったリスク選好を背景にクロス円(特に資源国通貨/円)で円安優勢となっている。それがUSD/JPYのサポート要因ともなっているわけだが、グローバル株式市場がこのままリスク選好状態を維持できるかどうかは、既に指摘している通り米四半期決算次第だろう。

本日の焦点-決算と米株の反応

その米四半期決算だが、日本時間9日早朝にアルミ大手アルコアがQ3決算を発表。売上高/純利益共に減益、且つ1株利益も0.07ドルと市場予想(0.13ドル)に届かなかった。米金融引締めリスクとドル高リスクの後退を背景に、資源関連(リオティント、BHPビリトン、エクソンモービル 等の資源関連株/ 資源国通貨 / 商品)の上昇が継続しているが、米株が崩れるようならばそのリスク選好トレンドに水を差す可能性があろう。また、週末である点も考えるならば、アルコアの冴えない決算内容が来週以降に発表される決算への警戒感を強め、米国株式市場での利確の動きを強める可能性もある。

米株安反落を警戒するならば、USD/JPYは119円トライを想定したい。一方、EUR/USDだが、昨日トライアングル上限を突破した点を考えるならば、NY引けベースで1.13台を維持できるかが焦点となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.00:レンジの上限 120.90:200日MA
サポート 119.50:短期サポートライン 119.00:レンジの下限

連日の株高にもかかわらず上値が徐々に切り下がっている点を考えるならば、ダウンサイドリスクを警戒したい。注視すべきサポートポイントは、日足の一目/転換線(黄ライン)119.63、短期サポートライン119.50前後、そして119.00となろう。
119.50、119.30、119.00にはそれぞれビッドが観測されている。
一方、上値は一目/雲の攻防へとシフトするかが注目される。120.60上にはストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1373:9/14高値 1.1300:レンジの上限
サポート 1.1232:一目/転換線(赤ライン) 1.1190:トライアングル下限

トライアングル上限を突破したことで、次の焦点は1.13台への攻防シフトとなろう。それを達成した場合、レンジの上限を1.1450レベルまで引き上げる必要がある一方、ローソク足の実体ベースで1.13台乗せに失敗した場合は、1.11-1.13のレンジ相場へシフトする展開を想定したい。
どちらにしてもEUR/USDは、三角(トライアングル)から四角(ボックス)相場へとシフトしよう。
尚、直近のオーダー状況だが1.13ミドル前後はオファー優勢となっている。ビッドは1.1200及び1.1150に観測あり。

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