待たれる中国の次なる一手

アナリストの視点-焦点は中国当局の新たな一手

中国

週明けのグローバル市場は、リスク回避一色の一日となった。世界的な株安の連鎖と債券高を背景に外為市場ではリスク回避の円&ユーロ買いが加速。USD/JPYは一時116円台、EUR/USDは今年1月以来となる1.17台まで急伸する局面が見られた。一方、資源国通貨は中国リスクとそれに伴う商品市況の低迷を受け対米ドル、ユーロそして円で軒並み下落する展開に。特に原油価格(昨日は一時37ドル台まで急落)との相関性が高い加ドルは対米ドルで、2004年8月以来となる1.3287レベルまで加ドル安が進行した。
本日オセアニア時間では、売られ過ぎの通貨が買われる局面も見られたが、リスク回避ムードを引きずったまま、本日の東京時間を迎えている。

今回のリスク回避の震源地が中国にある以上、これを後退されるためには7月同様、中国が何らかの対策に乗り出すことが求められる。リーマンショック後、中国当局は4兆元の景気対策を実施しその後の世界経済の回復を牽引した。現在は、的を絞ったインフラ整備事業への投資を加速させる目的で最大1兆元(3年間)に上るとも言われる景気対策に乗り出す構えを見せている。ただ、直近の指標データで景気減速に歯止めがかかっていない点を考えるならば、さらなる対策を講じる(表明する)必要があろう。今回の混乱に終止符を打つために中国当局が追加の景気刺激策を表明した場合、グローバル株式市場は値ごろ感から買い優勢となろう。株式市場が反発すれば、外為市場では現在とは逆のトレンド(=ドルショートカバー・円&ユーロ売り)となろう。
逆に同国が静観する構えを見せた場合は、中国リスクとそれに伴う世界経済の減速懸念を背景に米利上げ時期の後ズレが強く意識されることで、外為市場ではポジション調整を背景とした現在のトレンド(=ドル売り・円&ユーロ買い)が継続しよう。また、商品市況の低迷が続くことで、資源国通貨も対主要国通貨で軟調地合いが継続しよう。

本日の焦点-グローバル株式にらみの一日

本日の外為市場もグローバル株式にらみの一日となろう。株安連鎖継続ならば円&ユーロ高基調は継続しよう。その場合、USD/JPY及びEUR/USDは下記「Technical analysis highlights」で指摘しているチャートポイントをトライしよう。注視すべきは上述した中国当局の出方だろう。7月同様、株安に歯止めをかける姿勢を見せれば、昨日のグローバル株式の急落が、今回の混乱のセリング・クライマックスとなる可能性が高まろう。この場合、外為市場ではこれまでのトレンドとは逆の展開、つまりドルのショートカバー / 円&ユーロ売りの展開となろう。資源国通貨は商品市況次第だが、ユーロ売り / 原油及びベースメタル価格の反発が同時に発生すれば、対主要国通貨でショートカバー優勢の展開が想定される。ただ、中国経済や原油価格との連動性が高い豪ドルや加ドルでの戻りは限られよう(中国リスクが完全に後退しないため)。
一方、NZDはこれらクロス通貨での買いが優勢となることで、対ドルで底堅い展開(0.65台を回復する展開)となる可能性があろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.76:リトレースメント 120.50:レジスタンスポイント
サポート 117.50:サポートポイント 116.23:8/24安値

日足のRSIでは売られ過ぎシグナルが点灯。週足では、リトレースメント38.20%戻し及びボリンジャー下限(σ2.5)で長い下ヒゲが示現しての反発。これらテクニカル要因を考えるならば、昨日の急落が今回のドル安/円高のセリング・クライマックスである可能性はある。ただ、世界的な株安連鎖とその発端となった中国リスクが完全に後退しない限り、米利上げ時期の後ズレが意識されよう。よって、目先は急落の反動による120円台のまでの反発余地は見込めるが、ネックラインである120.50レベルもしくは直近高安の50.00%戻し120.76レベルで上値がレジストされる展開となれば、第2弾のドル安/円高の展開となる可能性がくすぶり続けよう。
一方、下値はビッドが観測されている117.50及び昨日安値116.23レベルでの攻防に注目したい。

EUR/USD

レジスタンス 1.1811:リトレースメント38.20% 1.1800:レジスタンスポイント
サポート 1.1550:リトレースメント23.60% 1.1448:リトレースメント38.20%

日足のRSIでは買われ過ぎシグナルが点灯。ただ、リスク回避(株安)傾向が続くならば、ユーロキャリー解消に伴うユーロ高基調は継続しよう。その場合、今年1月14日以来となる1.18台への到達及びリトレースメント38.20%戻し(2014年高値1.3994-2015年安値1.0463)を突破できるかが注目される。
一方、下値は直近高安(1.1715-1.1017)のリトレースメント23.60%及び38.20%での攻防に注目したい。

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