欧米指標データと米株の動向を注視

アナリストの視点-米株 良好な指標データに反応せず

ニューヨーク証券取引所

13日の海外外為市場では、ドル相場に明確な方向感が見られず売り買いが交錯する展開となった。この日発表された米小売売上高(7月)が若干ながら市場予想を上回ったことを受け米金利が小幅に上昇。外為市場ではドルを買い戻す動きが散見されるも、上値の重い米国株式と利上げペース鈍化への思惑からドル相場の上昇幅は限定的となった。

一方、円相場も売り買いが交錯する展開に。材料難からドル円は124円台でこう着状態となった。クロス円はドルストレートに連動し、欧州タイムは円高優勢、NYタイムは円安優勢で推移。オセアニア時間でも目立った値動きは見られず(NZD相場は軟調な指標データに売りで反応する局面あり)、本日の東京時間を迎えている。

米小売売上高(7月)は前月比+0.6%と、市場予想+0.5%を上回った。国内総生産(GDP)の個人消費支出と関連性が深いとされるコア指数も+0.4%と市場予想と一致。前月分のコア指数も上方修正(-0.1%→+0.4%)された。一方、新規失業保険申請件数は増加したものの、4週間移動平均では26万6250件と前週の26万8000件から減少し、2000年4月以来の低水準となった。
これら良好な指標データに対して、米金利は想定通り上昇で反応しドル相場を支援。ドルインデックスは過去2か月間の高安(6/18安値:93.56-7/8高値98.33)の50.00%戻しで反発した。しかし、その上昇幅が限定的となった背景にあるのは、米国株式市場の不安定化だろう。ドル高維持のためには米株高が必須条件であることはすでに指摘済みだが、4-6月期の米主要企業決算が前年同期比で1%台の伸びにとどまったこと(2014年4-6月期:8.6%増、2015年1-3月期:2.2%増、トムソン・ロイター調べ)、原油価格の低迷そしてタイミング悪く中国の景気減速懸念がマーケットの主要テーマとして再台頭してきた点も考えるならば、米国株式市場で不安定化が長引く可能性が出てきた。金融政策のコントラスト(=方向性の違い)を背景にドル相場が急落する展開は想定にし難いものの、米国株式市場での不安定化が続く限り米金利の上昇圧力も相殺されることから、リスク回避局面(=株安・金利低下局面)では、低金利と流動性面から資金調達通貨として利用されている円やユーロが対ドルで底堅さを維持しよう。

本日の焦点-欧米指標データと米株の動向

本日は欧米指標データにらみの一日となろう。原油価格の低迷を背景としたインフレ期待の後退(=10年債利回りの低下)と米国株式が不安定化しているタイミングで4-6月期のユーロ圏総生産(GDP)速報値が市場予想以上となれば、EUR/USDは米独金利差(=10年債利回りスプレッド)が縮小することで再び1.12台を目指す展開が想定される。

日本時間21時30分以降は、米国の各種指標データの内容に注目したい。焦点は総じて市場予想を上回った場合の米国株式の反応だろう。昨日同様、上値の重い状況が継続すればドル相場の上昇幅も限られよう。米国外のリスク要因と利上げ懸念が合わさることで米国株式が崩れる展開となれば、円やユーロが対ドルで上昇幅を拡大させよう。詳細なチャートポイントは下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.28:8/12高値 125.18:ボリンジャー上限ボリンジャー下限(MA21  σ2.5)
サポート 123.05:ボリンジャー下限(MA21  σ2.5) 123.00:サポートポイント

日足の一目/転換線(黄ライン)をブレイクしたが、その下の21日MA(青ライン)でかろうじてサポートされている状況が継続している。ただ、DMIとADXが低下傾向であることを考えるならば、ドル高に勢いはない。よって、124円ブレイクを常に想定しておきたい。123円台の攻防分岐は短期サポートラインだろう。このラインを下方ブレイクした場合は、ボリンジャー下限(MA21  σ2.5)が次の下値ターゲットとして浮上しよう。一方、上値はボリンジャー上限(MA21  σ2.5)の突破が焦点となろう。

尚、直近のオーダー状況だが124.90-125.00ゾーンにはオファーが断続的に観測されている。124.00及び123円ミドル前後にはビッドが並んでいる。123.00にもビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1300:レジスタンスポイント 1.1220:レジスタンスポイント
サポート 1.1017:10日MA(赤ライン) 1.0987:21日MA(青ライン)

上下のチャートポイントは上記の通り。上値トライとなった場合の攻防分岐は1.1220前後となろう。一方、下値は1.10台の維持が焦点となろう。尚、直近のオーダー状況だが1.1200前後、1.1250及び1.1280にはオファーが観測されている。ビッドは1.1070-50のゾーン及び1.10レベルに観測あり。

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