クロス円は選別のフェーズへ

アナリストの視点-選別されるクロス円

トレーダー

20日の海外外為市場は、ドル高優勢の展開となった。根強い利上げ観測と好決算を好感した米株高を受け、金融政策の方向性に敏感な米2年債利回りは0.71%台まで上昇。10年債利回りにも上昇圧力が強まったことで、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは4月23日以来となる98.00を視野に入れる展開となった(高値97.93)。一方、ユーロ相場は軟調地合いが継続。欧州株高にもかかわらず独金利に低下圧力が強まったことで米独利回りスプレッドが拡大。これを受けEUR/USDは、5月27日の安値1.0819レベルを下方ブレイクし1.0808レベルまでユーロ安・ドル高が進行する局面が見られた。

ギリシャ政府は、欧州中央銀行(ECB)が保有する同国国債のうち償還期限を迎えた約35億ユーロの返済手続きに着手し、且つ遅延していた国際通貨基金(IMF)への約20億ユーロの返済も実施したと発表した。しかし、上記の欧州マーケットとユーロ相場の動向を考えるならば、メインテーマはすでに米金融政策の動向にシフトしていることが改めて確認された。米利上げが意識される中、注視すべきは株式動向だが、好調な米企業決算が米利上げ懸念の相殺要因となり米株の高値圏攻防を誘発している状況を考えるならば、グローバル株式市場が崩れる可能性は低く、よって目下のところリスク回避の円高を警戒する必要性は低い。ただ、124円台到達後、石橋を叩いて渡るかのような展開となっているUSD/JPYの状況を考えるならば、他のドルストレートでのドル高進行はクロス円の選別を促そう。米連邦準備理事会(FRB)を追随するイングランド中央銀行(BOE)の動向を考えるならば、GBP/JPYの下落幅は限定的となり、GBP/USDの動向次第では195円トライの可能性もあろう。一方、EUR/JPYは米欧金融政策のコントラスト(方向性の違い)を背景に(EUR/USDの下落を背景に)目先のサポートポイント133円を目指す可能性があろう。また、資源国通貨(加ドル・豪ドル)も軟調地合いが想定される。昨日、NY原油先物相場は中心限月としては4月以来となる1バレル=50ドル割れとなった。中国の景気減速懸念が意識される中でのドル高進行は原油相場や他の商品市況のさらなる不安定化を促しかねない。また、利下げ観測の根強いNZDも下値を模索する展開が想定される。

本日の焦点-USD/JPY124.50以上では売りを警戒

上記の通りUSD/JPYは124円台へ到達すると上昇スピードが減速している。背景にあるのは、過度のドル高・円安に対するけん制への警戒だろう。5月下旬の麻生発言以降(6月上旬の黒田発言も含め)、125円は政治的な領域として認識されている。また、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が佳境を迎えているタイミングでの過度のドル高/円安は日米双方とも看過できない問題である。よって、124.50以上での円安水準では、いつ日米サイドからけん制発言が飛んできてもおかしくないだろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.80:レジスタンスポイント 124.57:リトレースメント76.40%
サポート 124.00:サポートポイント 123.21:21日MA(赤ライン)

124円台を維持している状況を考えるならば、次の上値焦点はリトレースメント76.40%の突破となろう。124.40-50レベルには厚いオファーも観測されており、124円ミドルレベルで一度上値がレジストされる可能性がある点には要注意。
一方、下値は目先、124円台の維持が焦点となろう。123円台の攻防へシフトしても21日MAを維持する限りドル高・円安トレンドは継続しよう。

EUR/USD

レジスタンス .1000:レジスタンスポイント 1.0966:10日MA(黄ライン)
サポート 1.0800:サポートポイント 1.0744:ボリンジャーバンド下限

攻防分岐は1.08となろう。RSIの動向を考えるならば、このサポートポイントの下方ブレイクを想定しておきたい。次のターゲットは、1.07ミドル前後で推移しているボリンジャーバンドの下限(MA:21、σ:2.5)となろう。一方、上値は10日MAを突破できるかが目先の焦点となろう。

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