ドル高が他の市場に与える影響を注視

アナリストの視点 -イエレンFRBのスタンス変わらず

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15日の海外外為市場は、良好な米指標データ及びイエレンFRB議長の発言を受けドル高優勢の展開となった。米欧の金融政策のコントラストが意識されEUR/USDは1.0930レベルまで下落。ドル高を背景に商品市況が軟調な地合いとなったことで対資源国通貨、特に加中銀(BOC)による利下げの影響も合わさり、加ドルで上値トライの展開となった。米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは、6月2日依頼となる97.30レベルまで上昇した。一方、USD/JPYはドル高優勢となるも上値の重い米株や米金利が伸び悩んだことを受け、124円越えはならず。123円後半でこう着したまま、本日の東京時間を迎えている。

15日の米下院金融サービス委員会に出席したイエレンFRB議長は、年内の利上げスタンスを改めて示唆した。米国外のリスクについても強い懸念を示すことはなく、むしろ「予想よりも速く回復する可能性あり」と指摘してきた。海外リスクの影響が軽微と指摘したことで、今後米金融政策の方向性の焦点は、米指標データに絞られよう。イエレンFRBが指摘する通り、米指標データ(特に雇用関連指標・インフレ関連指標)でファンダメンタルズの持続的な改善傾向が確認されれば、年内利上げ観測を土台とした緩やかなドル高トレンドが形成されよう。その場合、注視すべきはやはり米株の動向だろう。エネルギー価格が再び不安定化する中でのドル高加速は、更なるエネルギー価格の押し下げ要因となり米企業の収益を圧迫しよう。その結果、「米株不安定化→米金利低下→ドル安」という皮肉な展開となる可能性が高まろう。



本日の焦点-米指標データ次第でドル高加速も

日本時間早朝、ギリシャ議会は欧州連合(EU)から求められていた年金削減や増税を盛り込んだ財政緊縮政策を賛成多数で可決した。外為市場のファーストアクションはユーロ買いで反応。ただ、それ(ユーロ買い)が限定的だった事実は、焦点が米欧の金融政策のコントラスト(=方向性の違い)に転換していることを示唆している。よって、本日の焦点は米指標データとなろう。前日に続き総じて好調な内容ならば、年内利上げ観測を背景にドル高トレンドを維持しよう。逆に市場予想を下振れた場合は、ポジション調整によるドル売り優勢の展開が想定される。

円相場の焦点だが、USD/JPYのそれは124円台を回復にあろう。株高継続ならば、124円台の攻防へシフトするだろうが、124.50レベル以上となると政治的な領域(=125.00)が意識され、ドル売り・円買い圧力が強まることが想定される。クロス円はドルストレートにらみだが、ドル高継続の場合は商品市況の圧迫要因となることから対資源国通貨でよりドル相場は上値トライの展開となることが想定される。



Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.80:レジスタンスポイント 124.57:リトレースメント76.40%
サポート 123.02:21日MA(赤ライン) 122.17:一目/雲の下限

リトレースメント61.80%の突破に成功。次の焦点は厚いオファーが観測されている124円トライ。124円台の攻防へシフトしても、上述した通り124円ミドル以上ではドル売り圧力が強まり易い領域と想定したい。テクニカル面で考えた場合、リトレースメント76.40%で上値がレジストされる可能性があろう。このテクニカルポイント下(124.50レベル)にもオファーの観測あり。
一方、下値は引き続き21日MAの維持が焦点となろう。今日現在、このMAは123.00前後で推移しているがこのレベルにはビッドが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1039:10日MA(黄ライン) 1.0994:一目/雲の下限
サポート 1.0916:7/7安値 1.0900:サポートポイント

日足の一目/雲の下限どころかサポートラインをも完全に下方ブレイク。そのに散見されたユーロショートカバーも限定的であることを考えるならば、1.09トライの展開を想定しておきたい。1.09ブレイクとなれば、ストップを巻き込みオプションバリアが観測されている1.0850レベルをトライする可能性が高まろう。
一方、上値の焦点だが、雲の下限での攻防が焦点となろう。このテクニカルポイントで上値が圧迫されるようならば、1.09トライを常に警戒したい。

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