米雇用統計に対する米株の反応を注視

アナリストの視点 -良好な米指標データが好感されドル高優勢

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1日の外為市場は、ドル買い優勢の展開となった。この日発表された米指標データは総じてファンダメンタルズ改善を示唆する内容が続いた。これを受け、米国マーケットは素直にリスク選好(=株高・金利上昇)で反応。外為市場ではドル高圧力が強まり、EUR/USDは再びサポートライン(4月13日安値1.0520が起点)を下方ブレイクする展開となった。一方、USD/JPYは123.25レベルまで上昇。だが、10日MAでレジストされた事実は、ドル高への反転にはさらなる良好な米指標データが求められているということだろう。

ギリシャ情勢は相変わらず混沌としているが、対オセアニア通貨での堅調な推移を考えるならば、全面的にユーロ売り圧力が強まっているわけではない。また、欧州マーケットでは主要な株価指数が反発し、債券市場では「独金利上昇・南欧利回り低下」の状況が続いている事実は、ある程度ギリシャリスクを織り込んでいることを示唆している。7月5日のギリシャ国民投票の結果次第ではもう一波乱あるだろうが、これまで述べてきたように「ギリシャショック=局所的かつ短期的ショック」になると想定している。

むしろ注視すべきは、昨日も指摘したように米指標データだろう。上記の通り昨日の米指標データは総じて良好だった。米ドルのトレンドを示すドルインデックスは、レジスタンスラインとして意識されていた日足の一目/基準線を突破。EUR/USDのサポートライン再ブレイクも考えるならば、下記「Today’s Outlook」で指摘している米雇用統計(6月分)次第ではドル高がさらに加速しよう。しかし、強すぎる内容となれば「緩和マネー依存症」を克服しきれていない米株の圧迫要因となる可能性があるため要注意。


今日の焦点 - 米雇用統計と米株の反応

本日、最大の焦点は米雇用統計(6月分)となろう。雇用者数の増加幅とともに平均時給の伸び率にも注目したい。総合的に労働市場の持続的な改善傾向が確認されれば、米債券市場では9月利上げ観測を背景に各ゾーンの金利が上昇しよう。米金利の上昇はドル高を促し、EUR/USDは1.10下の一目/雲の下限(日足)を再びトライする展開が想定される。USD/JPYは124.00及び124.50レベルを突破できるかが焦点となろう。
懸念材料は米株の反応だろう。雇用者数の増加が25.0万人をはるかに超え(30.0万人前後)、失業率が予想外に低下し、且つ平均時給の伸び率も前月以上となれば、米株市場では9月利上げ「懸念」の方が強く意識されることで、上値がレジストされる可能性がある。ましてや米市場は明日から3連休に入り、5日にはギリシャ国民投票が予定されている。ポジション調整を入れるタイミングが本日しかない点も考えるならば、強すぎる雇用統計が米株の下落要因となる可能性は十分にあろう。
米株が崩れるならば、クロス円での円高や米金利の上昇圧力の相殺要因となり、USD/JPYは上記のレジスタンスポイントをトライすることなく反落する展開が想定される。


Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.57:21日MA(赤ライン) 123.25:10日MA(緑ライン)
サポート 122.04:リトレースメント38.20% 121.11:89日MA(黄ライン)

昨日は、レンジの下限を維持しての大陽線が示現。RSIも売り買い分水嶺の50.00以上を回復。だが、このまま124円台を目指すと判断するのは早計だろう。そう判断するには、上記の両MAを突破する必要がある。
尚、21日MA下の123.50にはオファーが観測されている。ビッドは、121.50及び121.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1186:10日MA(緑ライン) 1.1152:一目/基準線(赤ライン)
サポート 1.0994:一目/雲の下限 1.0965:リトレースメント76.40%

日足の一目/基準線(赤ライン)を下方ブレイクしたことで、再び雲の下限の維持が焦点として浮上してきた。このテクニカルをもブレイクする展開となれば、リトレースメント76.40%が次の焦点として浮上しよう。一方、上値のポイントは上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが1.1150にはオファー、1.1030-1.1000には断続的にビッドが並んでいる。

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