本日以降は米指標データをより注視

アナリストの視点-真のリスク回避要因とは

株価ボード

6月30日の外為市場は、ギリシャ情勢の不透明感を背景にユーロ売り優勢の展開となった。EUR/USDは21日MAにレジストされると1.1112レベルまで反落。テクニカル面では、日足の一目/基準線を一時下方ブレイクする局面が見られた。ユーロクロスも同様に軟調地合いとなり、EUR/JPYは136円割れ(安値135.88)、EUR/GBPは0.71割れ(安値0.7074)の展開となった。

一方、ドル相場は対ユーロでのドル高優勢もあり堅調に推移。ドルインデックスは95.67レベルまで反発する展開となった。ただ、大陽線が示現した6月23日以降、レジスタンスラインとして意識されている日足の一目/基準線でレジストされた事実(6月29日以外)は、ドル高トレンド転換の新たな材料をマーケットが求めていることを示唆している。

ギリシャ情勢は相変わらず混沌としているが、昨日の欧州債券市場ではイタリア、スペイン、ポルトガルといった南欧利回り(10年債利回り)は揃って低下し、市場の一部で懸念されている「南欧波及リスク」の兆しは現状見られない。欧州債務危機がピークに達した2012年当時とは違い、現在はギリシャ国債の約8割近くが公的機関の保有であり、民間の投資家が保有する同国国債は12%(約390億ユーロ)に過ぎないこと、そして欧州金融安定網の存在が投資家の安心感を誘っていると考えられる。また、独10年債利回りが、欧州株続落にもかかわらず目先のサポートポイント0.70%を維持している点も考えるならば、マーケットのメインテーマは米欧のファンダメンタルズであり、ギリシャリスクが混乱をもたらしてもそれは一過性であり、リスク回避のトレンドを形勢する可能性は現時点で低いと考えられる。

むしろその可能性を高める要因、つまり真のリスク回避要因として注視すべきは、米金融政策であろう。昨日のFEDスピーカー(フィッシャー副議長、ブラード・セントルイス連銀総裁)からは、持続的な米景気回復に関するコメントが聞かれた。本日以降、その景気回復度合いを見極める上で重要な米指標データが発表される。総じて良好な内容が続けば9月利上げ観測が台頭することで、短期的に米金利変動リスク(=株安リスク)を誘発する可能性は否定できないだろう。

 

本日の焦点-米指標データをより注視

ギリシャ情勢を注視しつつも、本日は米指標データにより神経を尖らす一日となろう。雇用関連指標と6月のISM製造業景況指数が市場予想を上回れば、米金利上昇とドル高要因となろう。EUR/USDは再びサポートラインをトライする展開が想定される。

USD/JPYは、株式動向次第だろう。欧州株の反発が期待できない以上、リスク選好の先導役は米株になるだろうが、上述した通り利上げ「懸念」が意識されるならば、ドル高圧力が株安による円高圧力により相殺されることで上値は限定的となろう。逆にファンダメンタルズ改善「期待」が意識されれば、123円台への攻防へシフトしよう。クロス円はドル相場と株式の両にらみの展開となろう。

 

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.58:21日MA(緑ライン) 123.17:10日MA(赤ライン)
サポート

122.04:リトレースメント38.20%

121.11:89日MA

昨日は、一時的にせよ122.00を下方ブレイクした。RSIの動向も考えるならば引き続き122円割れを想定したい。そのような展開となれば、次のターゲットとして浮上するのは89日MA(黄ライン)だろう。一方、上値は上記のMA突破が焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが123.50レベルにはオファー、121.50レベルにはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1244:21日MA(緑ライン) 1.1229:10日MA(黄ライン)
サポート 1.1055:サポートライン 1.1000:心理的節目

日足の一目/基準線(赤ライン、1.1128レベル)の攻防が焦点。下方ブレイクならば短期サポートラインのトライが再び焦点となろう。逆に基準線維持ならば、上記のMAでの攻防となるか注目したい。ただ、売り買い分水嶺の50.0を下抜けているRSIや上記MAのデッドクロスも考えるならば、警戒すべきはダウンサイドリスクだろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1250レベルにはオファー、1.1050レベルにはビッドが観測されている。

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