ドル高リスクを警戒

アナリストの視点-ドル高と株式市場の動向を注視

ディーラー

24日の海外外為市場は売り買いが交錯する展開となった。円相場はNYタイムに入ると総じて円買い優勢の展開に。USD/JPYは米実質国内総生産(GDP)確定値発表後の米金利上昇に伴いドル高優勢の展開となるも、124.50レベルでの上値の重さは変わらず。高値124.38を付けた後、再び123円台へ反落する展開となった。一方、クロス円はドル高と欧米株安を受け総じて上値の重い展開に。ギリシャリスクも合わさりEUR/JPYは138円後半で上値の重い状況が継続。原油価格の軟調地合いを背景にCAD/JPYも節目の100円を割り込む局面が見られた。

1-3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率で0.2%減と、改定値の0.7%減から上方修正された。米経済のけん引役である個人消費支出も2.1%増(改定値:1.8%増)と上方修正されたことで、今後1-3月期の景気低迷が一時的な現象であるとの見方が強まろう。米経済の回復は、世界経済にとってポジティブ要因であることは間違いない。しかし、現在のマーケット環境下を考えるならば、米経済への回復期待がむしろマーケットのリスク要因となる可能性がある。

そのリスクとはドル高による米株安リスクである。パウエル連邦準備理事会(FRB)理事は23日、個人的見解としながらも「年内2回の利上げ」について言及。連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる今年12月末のFF金利予測中央値が0.625%であった点も考えるならば、イエレンFRBは9月&12月利上げをメインシナリオに設定している可能性が高い。今週以降発表される米指標データ(特にインフレ指標)が総じて好調ならば、その観測がさらに高まり米金利とドル相場には上昇圧力が強まろう。一方、「緩和マネー依存症」から脱却しきれていない米株市場では、ファンダメンタルズ改善期待以上に金利変動リスクが意識される可能性が高い。事実、昨日はGDP確定値の上方修正に株安で反応している。その結果、米金利への低下圧力と円買い圧力が強まるというリスク回避型の値動きとなった。また、ドル高は米経済自体を失速させるというリスクがあることは言うまでもない。現在はギリシャリスクに目が向きがちだが、真に注視すべきは世界経済のけん引役である米経済のリスク要因であるドル高リスクであろう。

本日の焦点-米株式と金利動向を注視

本日のアジア時間は材料少なく、各市場はレンジ相場で推移すると思われる。昨日の欧米株式動向を受け日経平均が利益確定売り優勢となれば、円相場は若干ながら円高優勢で推移しよう。

海外時間では、EU首脳会議と米指標データに注視したい。前者は国際債権団(EU、ECB、IMF)がギリシャの改革案を大幅に修正しており、再び軋轢が目立ち始めている。首脳レベルで交渉決裂となれば「ギリシャ6月危機」の再燃により「欧州株安・ユーロ安」の展開となろう。円相場は、ドル高と株安を背景にクロス円(特にEUR/JPY)を中心に円高優勢の展開となろう。USD/JPYも同様の展開が想定されるが、ドル高圧力が円高圧力を相殺することで目先のサポートポイント122.50レベルは維持する展開が想定される。

一方、後者の米指標データもリスク要因として注視したい。5月の個人消費支出(PCEコア・デフレーター)が市場予想(前月比:0.1%増)以上となれば、米利上げ観測の高まりを背景に「米金利上昇・ドル高」の展開が想定される。ただ、上述したように現在のマーケット環境下でのドル高は株安リスクを高める可能性が高い。ギリシャリスクにドル高リスクが加われば、欧米株式市場が揃って崩れる展開も想定される。そのような展開となれば、利上げ観測が皮肉にも米金利の低下圧力を強め、円相場は総じて円高優勢で推移する展開となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.00:レジスタンスポイント 124.50:レジスタンスポイント
サポート 123.40:5日(赤ライン)&10日MA(緑ライン) 122.45:6/10安値

122.00-125.00のレンジ相場は継続中。5日&10日MAにサポートされている状況を考えるならば、本日は上値トライを意識したい。目先の焦点は124.50の突破となろう。このレベルにはオファーが観測されている。
一方、下値は上記のMA維持が焦点となろう。123.00、122.80そして122.50にはそれぞれビッドが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1278:10日MA(黄ライン) 1.1199:21日MA(緑ライン)
サポート 1.1128:一目/基準線(赤ライン) 1.1000:サポートライン

短期サポートラインを下方ブレイクしたことで、日足の一目/雲の攻防へシフトする可能性が出てきた。その場合、焦点は基準線と4月13日安値1.0520レベルを起点としたサポートラインの維持となろう。上値は、上記のMAでの攻防を注視。
尚、直近のオーダー状況だが1.1300にはオファー、1.1050にはビッドが観測されている。

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