焦点はギリシャ情勢とドル高に対する株式の反応

アナリストの視点-ギリシャリスク後退でユーロ売り

トレーダー

23日の外為市場は、ユーロ売り・ドル買い優勢の展開となった。この日発表された米指標データは総じて市場予想を上回る内容に。また、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のイベントに出席したパウエル連邦準備理事会(FRB)理事が個人的見解としながらも「年内2回の利上げ」について言及。これらが材料視され米金利は各ゾーンで上昇し、米独10年債の利回りスプレッドが1.48レベルから1.55レベルまで拡大。EUR/USDは5月27日安値1.0819を起点とした短期サポートラインを下方ブレイクすると、日足の一目/雲の上限と基準線が推移する1.1135レベルまで急落する展開となった。一方、USD/JPYは高値124.18レベルまで上昇した。

また、海外時間の豪ドルや加ドルは、ユーロ売りと堅調なNY原油先物相場を背景に、対ドル&円で底堅く推移した。

昨日の欧州マーケットを振り返ると「株高・債券買い(=利回り低下)・ユーロ売り」となった。「ギリシャ6月危機」回避の可能性が高まったにもかかわらず、ユーロ売りとなった事実は筆者にとって予想外だった。ただ、シカゴIMM市場のユーロショートが急速に解消され、且つ欧州の株高継続にもかかわらず独10年債利回りの上昇幅が限られた点を考えるならば、昨日のレポートで指摘した通り短期的なポジション調整の局面(=ユーロショートカバー&独連邦債ロングの解消局面)がひとまず終息した事実を示唆している。

特に注視すべきは後者の点だろう。通常であるならば、株高は債券安(=金利上昇)要因だが、上記の通り昨日の欧州マーケットは「株高・債券高(=金利低下)」で反応。この事実は、マーケットの焦点が再び米欧の金融政策のコントラスト(=方向性の違い)にシフトしていることを示唆している。
ただ、EUR/USDがこのままユーロ安・ドル高トレンドへ転換したと判断するのは早計だろう。4月13日安値1.0520レベルを起点としたサポートラインは未だ維持しており、このラインを下方ブレイクしない限りは、緩やかなユーロ高・ドル安トレンドが継続する可能性があるからだ。

本日の焦点-欧州発の材料・ドル相場の動向と株式市場の反応

本日も欧州発の材料を注視する一日となろう。ユーロ圏(EU)財務相会合でギリシャ側が新たに提示した改革案(年金開始年齢の段階的引き上げ・法人 / 富裕層への増税)の修正事項が少なければ、明日開催されるEU首脳会議でギリシャ金融支援が決定される見込みとなろう。

ただ、マーケットの焦点が再び米欧の金融政策のコントラストにシフトしつつある点を考えるならば、ギリシャリスクの後退だけでは米独金利差縮小にはインパクト不足であり、ユーロの反発余地も限られる可能性がある。米独金利差縮小には、やはりファンダメンタルズの改善、つまり独指標データ(6月IFO景況感指数)の内容にも注視する必要があろう。テクニカル面で反発する水準まで低下しているタイミングで、ギリシャリスクが後退し且つIFO指数が市場予想以上となれば、「独金利上昇→米独金利差縮小→ユーロショートカバー」の展開が想定される。

だが、そのような展開となっても、ユーロ反発の持続性は米指標データ次第だろう。21時30分に発表される1-3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値が予想以上の上方修正となれば、ドル買い圧力がユーロ買い圧力を相殺し、NYタイムはドル高優勢で推移する可能性がある。その様な展開となった場合は、ドル高が米株に与える影響に注視したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.00:レジスタンスポイント 124.50:レジスタンスポイント
サポート 123.40:5日(赤ライン)&10日MA(緑ライン) 122.45:6/10安値

122.00-125.00のレンジ相場は継続中。5日&10日MAにサポートされている状況を考えるならば、本日は上値トライを意識したい。目先の焦点は124.50の突破となろう。このレベルにはオファーが観測されている。
一方、下値は上記のMA維持が焦点となろう。123.00、122.80そして122.50にはそれぞれビッドが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1278:10日MA(黄ライン) 1.1199:21日MA(緑ライン)
サポート 1.1128:一目/基準線(赤ライン) 1.1000:サポートライン

短期サポートラインを下方ブレイクしたことで、日足の一目/雲の攻防へシフトする可能性が出てきた。その場合、焦点は基準線と4月13日安値1.0520レベルを起点としたサポートラインの維持となろう。上値は、上記のMAでの攻防を注視。
尚、直近のオーダー状況だが1.1300にはオファー、1.1050にはビッドが観測されている。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • リスクの種類

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。

  • 株取引

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。

  • 取引プランを使う理由

    取引プランは、取引目標を明確にして達成する上で使用できるツールの一つです。ここでは、個人の計画を立てる方法と、それを実行する方法について解説いたします。