米雇用統計後のリスク回避相場を警戒

アナリストの視点-独金利に振り回されるEUR/USD

チャート

4日の海外外為市場は、独金利に振り回される展開となった。この日の独金利は前日のドラギ発言の尾を引き、1.00%に迫る水準まで急上昇。米金利もこの動きに追随した。その後、独金利が急低下すると米金利も各ゾーンで低下圧力が強まる等、欧米債券市場でのボラティリティ拡大が目立った。EUR/USDは独金利の動向に振り回される展開に。独金利の上昇に伴い欧州タイムに1.1380高値を付けた後、一転して独金利が急低下したことで1.1220レベルまで急落。EUR/JPYもこの動きに追随する展開となった。
また、世界的な金利上昇を受けグローバル株式市場が軟調地合いとなったことから、クロス円全般で円高優勢の展開となった。一方、USD/JPYは124円台でのレンジ相場が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

昨日、筆者の興味を惹いたのは、金利の上昇に対して欧米株式が下落で反応したことだった。先行きの景気見通しに対しグローバル株式市場全体で強気の見方が浸透しているならば、セオリー通りリスク選好の「株高 / 金利上昇」となるはずだ。しかし実際は、世界的な緩和レースの状況下にもかかわらず金利の上昇が株式市場の上値を抑える要因となった。あらためて株高と金利上昇の共存関係構築の難しさを再認識せざるを得ないことが確認された。
目先、金利動向の焦点は、独金利が節目の1.00%を突破するかどうかだろう。2013年12月の2.00%の水準を上限と仮定した場合、今年4月17日に記録した過去最低水準(0.049%)からリトレースメント50.00%レベルにあたる1.00%をも突破するならば、他の金利も追随しよう。それに伴いグローバル株式市場が混乱する可能性がある。外為市場では円高リスクが高まろう。

本日の焦点-米雇用統計と株式の反応を注視

最大の焦点は、米雇用統計(5月)となろう。非農業部門雇用者数変化の予想値は22.5万件、失業率のそれは5.4%。今回の雇用統計で注視すべきは、賃金の伸びも含めた質の面で市場予想を上回った場合の米株の反応だろう。世界的な金利の上昇基調が株式市場のネガティブ要因として浮上する中、今回の雇用統計で9月利上げの可能が高まれば、米株の圧迫要因となる可能性が高い。「株安/金利上昇/ドル高」となれば、リスク回避圧力がグローバル市場全体に波及しよう。結果、円相場ではドル高と株安(=円高圧力)のダブルパンチによりクロス円が急落することが想定される。クロス円のサポートがなくなれば、USD/JPYもドル高圧力が相殺され、下値を模索する展開となろう。

他にリスク回避要因(=株式市場の下落要因)として注視すべきは、上記の独金利の動向とギリシャの支援問題だろう。前者に関しては、5月にレジストされた0.80%の水準(=リトレースメント38.20%)を完全に突破している点を鑑みるに、上述した1.00%を突破するかが注目される。後者は本日期限を迎える国際通貨基金(IMF)への返済(約3億ユーロ=420億円)をギリシャが実行できるかが注目される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.06:6/2高値 125.00:レジスタンスポイント
サポート 123.83:10日MA(緑ライン) 123.51:リトレースメント23.60%

上値の焦点は125円の再トライで変わらず。このレベルには、オファー(輸出含む)が観測されている。下値は10日MAでの攻防に注目したい。
125円台へ再上昇した場合、次のターゲットは厚いオファーとオプションバリアが観測されている125.50となろう。このレベルをも突破した場合は、2001年と2002年にダブルトップを形成した126.00前後のトライが注目される。
尚、ビッドの状況だが123.70台及び123.50レベルに観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1380:6/4高値
サポート 1.1143:一目/基準線(赤ライン) 1.1138:21日MA(緑ライン)

昨日のローソク足は、下落シグナルのトンカチ(陽線)。低下気味のRSIや横ばいのADXも鑑みるに、本日はダウンサイドに振れる展開に警戒したい。
焦点は1.1140レベルでの攻防だろう。一目/基準線と21日MAが挟むかたちで展開しているこのサポートポイントを下方ブレイクした場合は、今日現在1.10ミドル前後で推移している10日MAが次のターゲットとして浮上しよう。
上値ポイントは上記の通り。尚、直近のオーダー状況だが1.1390-1.1400にはオファーが観測されている。ビッドは1.1200及び1.1000に観測あり。

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