独金利がけん引するユーロ高

アナリストの焦点- 「独金利上昇+ユーロ高」の再来

ドラギ総裁

3日の海外外為市場ではユーロの買戻しが加速した。ギリシャ支援協議進展への期待感が強まる中、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁のボラティリティに関する発言(マーケットはボラティリティが高い局面に慣れる必要があるとの発言)を受け、独10年債利回りが急騰。EUR/USDはレジスタンスポイントの1.12レベルを突破すると1.1285レベルまで上昇する展開に。ユーロクロスも総じて堅調に推移し、EUR/JPYは1月13日以来となる節目の140円台を突破する局面が見られた。EUR/GBPも5月7日以来となる0.73ミドルレベルまでユーロ高が進行した。

昨日の米国マーケットは「株高/金利上昇」となった。だが、外為市場ではドル売り優勢となった点を鑑みるに、米国株式市場が利上げ「懸念」を克服しつつあると判断するのは早計だろう。「株高/ドル安」の点に注目するならば、ドル高は米株にとって依然としてリスク回避要因であり、そのドル高をサポートする米金利の上昇も同様に米株の上値を圧迫する要因として認識しておきたい。

昨日、筆者の興味を惹いたのが独金利の動向だった。ドラギECB総裁は、ユーロ圏のインフレ率が年初に底打ちしたとの認識を示すと同時に、今年のユーロ圏消費者物価上昇率の見通しを上方修正(0.0%→0.3%)してきた。独10年債利回りはECBの見解に敏感に反応し、5月上旬にレジストされた0.80%レベル(過去最低素水準からのリトレースメント38.20%)を突破すると0.80%後半まで急伸した。一度レジストされた重要テクニカルポイントを突破したことで、次のレジスタンスポイントであるリトレースメント50.00%の1.00%前後まで独10年債利回りが反転する可能性が出てきた。欧州債券市場でそのような展開となれば、「独金利の上昇幅>米金利の上昇幅」が意識され、EUR/USDは5月高値1.1467レベルを視野にユーロの買戻し基調が継続しよう。

だが、ドラギECBは今後も緩和スタンスの継続を表明する一方、イエレンFRBは年内利上げに向けた地ならしを徐々に進めている。米欧間における金融政策のコントラストが今後鮮明になっていくことを考えるならば、中長期スパンではEUR/USDは下落トレンドを形勢するとの見通しに変更はない。

本日の焦点-EUR/USDの動向に注目

ユーロ買いによりドルインデックスは再び上値の重い展開に。上述したように独金利の上昇トレンドが継続すれば、EUR/USDは下記「Technical analysis highlights」で指摘しているレジスタンスポイントをトライする可能性があろう。ただ、昨日指摘したレンジの上限と想定される1.15レベルの突破には、米利上げ期待の後退が必要と考える。マーケットの関心が米金融政策にフォーカスしている以上、の米指標データが総じて堅調ならば年内利上げ(早くて9月利上げ)が意識されることで、再びドル買い圧力が強まろう。

この場合(=米年内利上げ期待が強まった場合)、円相場ではUSD/JPYが上値トライとなる一方、クロス円はドル高圧力を受け上値の重い展開となろう。円相場全体が下値を模索するかどうかは、米国マーケットの共存関係(=株高/金利上昇の同時発生)の行方次第だろう。「株安/金利上昇」ならばUSD/JPY上昇、クロス円下落という対照的な値動きとなろう(ドル安優勢ならば逆の展開を想定)。また、外為市場ではリスク回避のドル高を想定したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.06:6/2高値 125.00:レジスタンスポイント
サポート 123.53:10日MA 123.51:リトレースメント23.60%

上値の焦点は125円台の再トライで変わらず。一方、下値の焦点は、今年高値からの23.60%戻しと10日MAが密集している123.50レベルでの攻防に注目したい。
このレベルと123.70台にはビッドが観測されている。一方、オファーは124.80及び125.00にそれぞれ観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1314:リトレースメント76.40%
サポート 1.1200:サポートポイント 1.1143:21日MA&一目/基準線

目先のレジスタンスポイントであった1.12レベル及び5月27日安値1.0819レベルからのリトレースメント61.80%の1.1220レベルを突破したことで、次のターゲットはリトレースメント76.40%の1.1314レベルとなろう。このテクニカルポイントをも突破すれば、1.14台への再上昇が焦点として浮上しよう。
一方、下値は21日MA(緑ライン)と日足の一目/基準線(赤ライン)が交錯している1.1140レベルを維持できるかが注目される。
尚、直近のオーダー状況だが1.1300にはオファー、1.1100にはビッドがそれぞれ観測されている。

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