焦点は米独金利ラリーの動向と株式の反応

アナリストの視点-米独金利ラリーは継続中

トレーダー

11日の海外外為市場はドル高優勢の展開となった。週明けの欧州債券市場では引き続き利回りが上昇。この動きに米金利も連動したことで、ドル相場の総合的なトレンドを示すドルインデックスは95.00レベルまで反発した。
ドルストレートを個別にみると、EUR/USDは10日MAを下方ブレイクする展開に。米金利の上昇に加え、この日開催されたEU財務相会合が、相変わらず「何も決まらない会合」となったことが嫌気された模様。一方、USD/JPYは世界的なドルショートカバーを背景に120円台へ再上昇する展開に。ただ、120円前半での上値の重さは変わらずトライアングル上限手前で失速した。
一方、昨日堅調さが目立ったのがポンドだった。先週の英総選挙では予想外に保守党が勝利。政治リスクの一時的な後退を背景に対ドルでは昨年12月31日以来となる1.56台を回復。対円では昨年12月29日以来となる187.40レベルまで急伸した。

独金利と米金利のラリーが継続中。どちらの上昇幅が上回るかが、今後もEUR/USDのトレンドを左右するだろう。筆者が注目しているのは、これら金利ラリーに欧米株式が高値圏を維持できるかどうか、という点だ。金利の上昇幅が欧米株高のそれを超える状況が多く散見されるならば、結果的にグローバル株式市場全体を不安定化させる可能性があろう。また、米金利の上昇が独金利のそれを上回る場合は、ドル高が米株安を誘発する可能性もある。どちらにしても現在の米独金利の上昇スピードが株式市場のリスク要因として捉えられるならば、外為市場ではリスク回避のドル高トレンドが鮮明となる一方、USD/JPYだけは株安を背景に下値トライの展開が想定される。

逆に明日以降発表される米指標データで景気回復期待が再台頭すれば、日米中の緩和強化を背景に株式市場は米独金利ラリーがリスク要因として捉えられる可能性が低下しよう。この場合、USD/JPYは下記で指摘しているトライアングル上限やレンジの上限を突破する展開が想定される。

本日の焦点-USD/JPY、トライアングル上限突破が焦点

本日の焦点はドル高トレンドの継続にあろう。明日以降、米経済の動向を見極める上で重要な指標データが順次発表されることを考えるならば、ドル相場全体ではレンジ相場が想定される。ただ、米金利の上昇が続くならば(特に米金の上昇幅が独金利のそれを上回るならば)ドル相場は限定的ながらも上値トライの展開となろう。
注目の通貨ペアはUSD/JPYだろう。今日現在120.30レベルで推移しているトライアングル上限を突破すれば、レンジの上限120.50トライが視野に入るからだ。ただ、ドル高加速や金利上昇が株式市場のリスク要因となれば利益確定(=円ショートカバー)圧力が強まることで、119円台への反落もあり得るため要注意。

尚、日本時間13日午前2時に米3年債入札が予定されている。入札結果次第で米金利を変動要因となる可能性があるため注視しておきたい。また、FEDスピーカー(ダドリー・NY連銀総裁、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)の講演も予定されている。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.51:5/5高値 120.30:短期レジスタンスライン
サポート 119.76:一目/雲の上限 119.52:21日MA(赤ライン)

RSIは売り買い分水嶺の50.00以上を維持。日足の一目/遅行線(黄ライン)は26日前のローソク足を上昇ブレイクし、昨日は雲の上限でサポートされた。これらの点を鑑みるに本日は上値トライを想定したい。
目先はトライアングル上限を突破できるかが焦点となろう。このテクニカルポイントの突破に成功すれば、120.50レベルを目指し、さらにドル高トレンドが加速する展開を想定したい。一方、下値は一目/雲の上限及び21日MAの維持が焦点となろう。尚、直近のオーダー状況だが、上記レジスタンスポイントにはそれぞれオファーが観測されている。ビッドは119.50及び119.00レベルに観測されている。また、ストップは120.25上、119.50下&119.00下にあり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1290:5/8高値 1.1194:10日MA
サポート 1.1066:5/5安値 1.1000:サポートポイント

10日MAを下方ブレイクし、RSIも下降トレンドを形成中。ただ、独金利は反発基調にあり、また更なる下値トライには良好な米指標データを背景としたドル高が必須である点を考えるならば、反発の可能性を常に意識したい。
目先の焦点は10日MAでの攻防だろう。このMAをあっさり突破するならば、目先のレジスタンスポイント1.14台再トライの展開を意識したい。逆にこのMAでレジストされるならばトレンド転換の可能性を考慮し、1.10トライを想定したい。

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