目先のユーロ相場は欧州株次第

アナリストの視点-欧州株高にサポートされるユーロ相場

ユーロ

週明けの海外外為市場のドル相場は、売り買いが交錯する展開となった。欧州タイムからNYタイム序盤にかけては、ユーロ買い/ドル売り優勢の展開に。ギリシャ政府が救済交渉チームを再編したことが好感され、欧州株高&独金利反発基調継続となったことが背景にある。EUR/USDは4月7日以来となる1.0927レベルまで上昇。オセアニア通貨も対ドルで堅調に推移した。その後は米金利の反発もあり、徐々にドルを買い戻す動きが散見された。

一方、円相場だが欧州タイムでは円安優勢、NYタイムでは円高優勢の展開となった。トレンドを左右したのは欧米株式の動向だった。欧州株式は上記の通り主要な株価指数が揃って上昇。USD/JPYは高値119.44、EUR/JPYは節目の130円をトライする動きが継続した。米株も序盤は堅調だったが、本日以降の米イベントリスクが意識され徐々に上値の重い展開に。結果、米株の反落に呼応するように円を買い戻す動きが散見されUSD/JPYは119円前半、EUR/JPYは129円ミドルレベルまで反落後、こう着したまま本日の東京時間を迎えている。

昨日、興味を引いたのは欧州マーケットの動向だった。主要な株価指数は先週からの流れを引き継ぎ、軒並み上昇基調を維持。持続的な欧州株高は投資家のリスク許容度を拡大させ独金利の反発基調につながっている。同時に南欧諸国(イタリア、スペイン、ポルトガル)利回りの低下要因ともなり、結果外為市場でのユーロ買い戻しをサポートしている。ギリシャ政府による救済交渉チーム再編成の報道が出る前からこれらの状況が確認されていた事実は、ギリシャリスクよりも欧州中央銀行(ECB)による一連の緩和強化策がユーロ圏経済全体の安定化につながり始めている点に欧州投資家の意識が集中していることを示唆している。よって、現在のユーロ相場の買戻し基調の持続性は、欧州株式の動向次第と言えるだろう。米金融政策への不透明感が増しているタイミングで引き続き欧州株高維持となれば、「独金利反発⇒米独金利差縮小⇒ユーロ売り圧力がさらに後退」というプロセスを背景に、EUR/USDは節目の1.10をトライする展開となろう。また、株高はクロス円での上昇要因でもあることから、「ドルストレートでのドル安+株高」を背景にEUR/JPYは134.14レベル(4/28現在)で推移している日足の一目/雲の下限を目指す展開が想定される。他のクロス円も同様の展開となろう。

ただ、EUR/USDが1.10を超えて尚上値トライとなるかは、米イベント次第だろう。今週の米連邦後退市場委員会(FOMC)や1-3月期GDP速報値の結果、イエレンFRBによる早期利上げ観測が再台頭すれば、1.10-1.1050ゾーンでレジストされる可能性も意識しておきたい。

本日の焦点-焦点は英米経済指標

円相場/ユーロ相場ともに株式市場の動向が目下最大の焦点だが、ポンド相場は日本時間17時30分の1-3月期GDP速報値が焦点となろう。5月7日の総選挙リスクが意識される中、成長率の鈍化が鮮明となればポンド売り要因となろう。

だが、対ドルで下落幅が拡大するかどうかは、22時以降に発表される米指標データ(2月ケース・シラー米住宅価格指数 / 4月消費者信頼感指数)次第だろう。冴えない内容が続くようなら米早期利上げ観測の後退を背景にドル売り圧力が継続しよう。結果、GBP/USDをはじめとしたドルストレートでのドル安基調は継続しよう。欧州株高が合わされば、EUR/USDは昨日高値1.0927レベルを突破する展開が想定される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.00:レジスタンスポイント、オファー 119.59:一目/基準線&21日MA
サポート 118.70:サポートポイント 118.50:サポートポイント、ビッド

日足の一目/雲の下限での神経戦が継続している。ただ、4月中旬以降の反発レベルを確認すると、注視すべきは118.70&118.50レベルでの攻防だろう。特に後者ではビッドが観測され続けており、118円トライの攻防分岐として常に意識しておきたい。一方、上値は21日MA(赤ライン)と一目/基準線(緑ライン)がクロスしている119.60レベルの突破が目先の焦点となろう。このポイントの突破に成功すれば119.70上のストップを巻き込み、オファーが観測されている120.00が再び視野に入ろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1000:レジスタンスポイント、オファー 1.0927:リトレースメント76.40%
サポート 1.0855:一目/雲の下限 1.0788:10日MA

日足の短期レジスタンスラインの突破に成功後もユーロの反発基調は継続し、1.09台の攻防へシフトしている。昨日は直近安値1.0522からの76.40%戻し1.0927レベルで見事に上値がレジストされた。本日はこのテクニカルを突破し、さらに上値トライとなるかが注目される。その場合、次のレジスタンスポイントとして注視すべきは1.09ミドルの突破だろう。4月7日に1.0955レベルでレジストされた経緯がある。このポイントをも突破すれば、いよいよ節目の1.10が視野に入ろう。尚、このレベルにはオファーが観測されている。一方、下値は日足の一目/雲の下限を維持が目先の焦点となろう。下方ブレイクした場合は日足の一目/基準線とクロスしている10日MAの維持が次の焦点として浮上しよう。

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