外為市場の焦点は引き続き株式にあり

Market Overview -米株反発、USD/JPYは昨年高値がターゲットに

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週明けの米国株式市場は、米非鉄大手のアルコアや不動産投資信託(REIT)最大手のサイモン・プロパティ・グループによる大型M&A(合併・買収)の報道を受け、主要3市場は前週末比で揃って反発。米金利は欧州金利の低下を受け小幅に低下したものの、イエレンFRBによる利上げ期待も根強く影響は限定的。外為市場では欧州タイムにドルロング調整の動きが散見されたものの、NYタイムでは再びドル買い圧力が強まり、EUR/USDは1.0836と6日に付けた安値(1.0839)を更新。米金利先高観と米株の反発を背景にUSD/JPYも6日高値121.29を突破し、121.42まで上昇した。オセアニア時間でもドル高トレンドは継続。USD/JPYは一時121.60台へと到達し、本日の東京時間を迎えている。

欧州中央銀行(ECB)は9日、量的緩和を開始した。欧州マーケットでは、期待先行で進行していた株高とユーロ安の調整が見られた。前者に関しては、今後も緩和マネーが相場をサポートする状況が継続しよう。

問題は後者(ユーロ相場の動向)だが、昨日の対ドルにおけるユーロのショートカバーが一時的な現象にとどまった事実は、逆にドル先高観を示唆するかたちとなってしまった。また、円相場も同様の点を示唆している。USD/JPYは米早期利上げ期待に加え米株の反発もあり、2014年の高値がいよいよターゲットに入ってきた。対照的に昨日のクロス円は、NYタイムに入ると円高優勢の展開となっている。米株が反発したにもかかわらずクロス円の上値が重い背景にあるのは、ドルストレートでの根強いドル買い圧力だ。事実、EUR/USDは1.0907レベルまでポジション調整が進行したものの、5日MAすらトライできずに敢え無く反落している。また、米金利の低下に加え、原油価格(WTI4月限)が3日営業日ぶりに反発したにも関わらずAUD/USDは再度の0.77割れ、NZD/USDも連れ安し約1か月ぶりとなる0.7322まで下落した。USD/CADも1月30日に付けた高値1.2798レベルを視野にドル高圧力が強まっている。

筆者の見立て通り(日欧緩和マネーの流入期待、米株の調整入りパターン、原油価格反発そしてギリシャリスクの一時的な後退を背景に)3月の米株が高値圏での攻防を維持するならば、円相場での円高圧力は後退しよう。ただ、米早期利上げに加え、株高維持となれば米金利への上昇圧力はさらに強まろう。これは、グローバル市場が、これまでの「株高オンリーリスク選好」から「株高+米金利上昇のリスク選好」へシフトする意味し、それ故に円相場のけん引役もクロス円からUSD/JPYへの完全シフトを促そう。そのUSD/JPYは、米株の反発に伴い121円ミドルをトライする状況となっている。この事実を鑑みるに、USD/JPYのトレンドを左右する重要ファクターとしての米株に今後もマーケットの焦点が集中しよう。

Today’s Outlook -グローバル株式が堅調さを取り戻すか

本日のドル&円相場のトレンドも株式動向に左右されよう。その株式市場の焦点は、米株の反発が継続するかどうか、それともないグローバル株式市場が堅調さを取り戻すかどうかだろう。米ファンダメンタルズ改善と日欧の緩和マネー流入期待を背景に株式市場が堅調に推移するならば、円相場はUSD/JPYを中心に円安優勢の展開となろう。また、堅調な株式市場は米金利の上昇圧力を強めることから、ドル相場も堅調に推移する可能性が高まろう。USD/JPYの上値ターゲットは2014年高値121.86レベル、EUR/USDのそれは2000年10月安値0.8231を起点とした長期サポートラインが推移している1.0750レベルとなろう。

また、経済指標では日本時間10時30分に発表される中国の指標データ(CPI、PPI)注目したい。総じて冴えない内容となれば豪ドル相場を圧迫すると同時に、AUD/USD経由でドル買い圧力が強まる可能性がある。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 122.00:レジスタンスポイント 121.86:2014年最高値
サポート 120.05:短期サポートライン 119.41:21日MA(3/9現在、赤ライン)

焦点は引き続き2014年高値121.86レベルの突破となろう。一方、下値は120円台を維持できるかが注目される。この点を左右するのは短期サポートラインでの攻防となろう。ただ、119円ミドルレベルまで上昇してきた21日MAを下方ブレイクしない限り、ドル高/円安トレンドは継続する可能性が高いだろう。
尚、直近のオーダー状況だが、121.5&122.00にはオファーが、上の水準にはストップがそれぞれ観測されている。ビッドは120.50、120.20、120.00そして11950-40レベルにそれぞれ観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.1000:レジスタンスポイント 1.0900:レジスタンスポイント
サポート 1.0800:サポートポイント 1.0750:長期サポートライン

目先、最大の注目ポイントは2000年10月安値0.8231レベルを起点とした長期サポートラインでの攻防だろう。このラインをも完全に下方ブレイクした場合は、いよいよパリティ価格が視野に入ろう。ユーロのショートカバーとなった場合、上限として1.10レベルを想定したい。

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