逆回転リスクに注意

Market Overview -リスク選好回帰のムードは強まっているが

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13日の米国株式市場で、S&P500は昨年12月29日以来となる高値更新となった一方、ダウ平均も心理的節目の18,000ドルを回復した。欧州株式市場でもストックス欧州600指数は約7年ぶりの高値を更新すれば、ドイツDAXは11,000の大台を初めて突破、さらに欧州リスクの震源地となっているギリシャではアテネ総合指数の反発基調が継続した。また、原油先物相場での底打ち感が強まっている点も鑑みるに、リスク選好回帰の兆しが高まっていると判断していいだろう。事実、投資家の不安心理を表すVIX指数は9日以降低下基調が続き、13日には15.00を割り込む展開となっている。

今週はリスク選好へ回帰できるか否か、この点が焦点となるだろう。米株がようやく反発基調を強めてきたにもかかわらず、筆者が「否」の点に注目する理由は、リスク選好回帰の兆しの中に逆回転リスクが内包していると考えるからだ。そのリスクとは、冴えない米指標データだ。雇用統計(1月)を除けば、企業活動及び個人消費関連の指標データは総じて冴えない内容が続いている。そこで注目されるのが、17日以降の米指標データ(特に住宅関連指標)だろう。先週の米株高は海外リスクの後退がけん引役となったが、今週その役目を米指標データが果たすかどうかは、ドル相場や円相場のトレンドを左右しよう。何故なら、リスク選好の土台である米指標データが崩れれば、6月利上げ観測とファンダメンタルズ改善期待が後退することでドルロングを調整する動きが加速するからだ。また、米株が再び崩れることで円を買い戻す圧力も強まろう。
18日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に対する米株の反応も重要だろう。冴えない米指標データが続いて尚、タカ派的な内容となった場合、米金融引き締め懸念が意識されることで米株が崩れる可能性がある。そうなれば、他の主要株価指数も不安定化することで、外為市場では円を買い戻す動きが強まろう。

一方、国内では黒田日銀の動向に注目したい。17-18日に金融政策決定会合が開催される。追加緩和を巡り日銀内で不協和音が聞かれる中、会見で黒田総裁が追加緩和導入に対してどのような見解を示すかが注目される。原油安による物価下押し圧力が強まる中、追加緩和に対して否定的な見解を示す場合、これまで採用してきた政策とその見解に整合性がなければ、マーケットは黒田日銀の政策指針がブレ始めていることを敏感に察知するだろう。また、遅々として進まない成長戦略や各国中銀の緩和政策により「異次元緩和」の優位性が後退している点も鑑みるに、今回の会合は円高の逆回転リスクとして注意しておきたい。


Today’s Outlook -焦点は欧州に

本日、最大の焦点はユーロ圏財務相会合となろう。現行のギリシャ支援プログラムが今月28日で期限を迎えるため、今回の会合はギリシャ側にとって支援を受ける最後のチャンスとなる可能性が高い。ギリシャ支援継続という結論に達すれば、直近の強いGDP統計の内容も合わさり、欧州株高と対ドルでのユーロショートカバーを誘発しよう。円相場はクロス円を中心に円安優勢の展開を想定したい。逆に協議が不調に終われば、株安/ユーロ売りの展開となろう。円相場はユーロ円を中心に円高圧力が強まろう。
また、経済指標では8時50分に発表される日本の10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値に注目したい。前期比で0.9%増、年率換算で3.7%増と前回から大幅な回復が予想されている。追加緩和を巡り日銀内部の不協和音が聞こえる中、市場予想を上回る内容となれば追加緩和期待の後退を背景に円買い圧力を強める可能性があろう。ただ、強いGDPは株高要因にもなり得る。世界的な株高回帰のトレンドも鑑みるに日経平均が底堅い展開となれば、円高圧力が強まっても一時的なトレンドで終わるだろう。 尚、本日はプレジデンツデー祝日のためNYタイムの為替、株式、債券の各市場は休場となる。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.47:2月11日高値 120.00:レジスタンスポイント
サポート 118.24:21日MA(13日現在) 118.16:一目/基準線(13日現在)

120.00突破後、その水準を維持できるかが上値の焦点となろう。一方、下値は118円台を維持できるかが注目される。テクニカル面では21日MA及び基準線の攻防に注目したい。

ユーロドル

レジスタンス 1.1534:2月3日高値 1.1493:一目/基準線(13日現在)
サポート 1.1300:サポートポイント 1.1250:サポートポイント

ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援合意となれば基準線(赤ライン)を突破し、1.15台の攻防へシフトする展開となろう。逆に支援を巡り協議が不調に終われば1.13後半に密集している1.13割れを想定したい。この場合、目先の重要サポートポイント1.1250レベルを維持出来るかが注目される。

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