今週の焦点はドル高ストーリーの再燃

Market Overview -ドル高ストーリーの再燃なるか

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6日に発表された1月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が前月比25.7万人増となり、且つ前月(12月分)も32.9万人増と速報値から大幅に上方修正された。失業率は5.7%(前回5.6%)に上昇したが、マーケットが注目していた平均時給は前月比で0.5%増と、2008年11月以来の高い伸びとなった。また、前年比でも2.2%増と、昨年8月以来で最も大きな伸びを示したことで、米労働市場の持続的な改善傾向が確認された。総じて好調な内容となったことで、米金利の上昇(2年債利回りは0.65%レベル、10年債利回りは1.96%レベル)と世界的なドル高トレンドを促した。

今週の外為市場における焦点は、ドル高ストーリーの再燃となろう。雇用統計発表前はドルロング調整地合いが散見されたが、この根底には冴えない指標データ(GDP、ISM製造業指数等)を背景とした米ファンダメンタルズ改善期待の後退があった。しかし、労働市場の持続的な改善は米経済のエンジン役である個人消費の押し上げへとつながり、且つイエレンFRBが指摘しているように原油安による短期的なインフレリスクを後退させる要因ともなる。市場関係者もこの点は認識しており、今回の雇用統計がドルロング調整地合いを転換させるチェンジメーカーとしての役割を果たす可能性があろう。実際、低空飛行が続いていた米2年債利回りは1月上旬以来となる0.65%レベルまでは急反発し、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは高値圏での攻防を維持している。また、ドル円は米株の反落にもかかわらず、あれほど強固だった118.90(リトレースメント61.80%)だけでなく、レンジの上限119.00の突破にも成功した。ただ、米株株式市場で明確な上値トライムードが高まっていないこと、積み上がったユーロショートの状況等を考えるならば、今回の雇用統計がチェンジメーカーとなりドル高ストーリーを再燃させても、それが長く続くかどうかは今後の米指標データであろう。今週は小売売上高(1月)とミシガン大学消費者態度指数・速報値(2月)が発表されるが、これら個人消費関連指標でも好調な内容が確認されれば、引き続き米国経済が世界経済をけん引していくという思惑を背景にドル高ストーリーが継続することを想定している。

Today’s Outlook -米株上値トライとなるか

好調な米指標データは、ファンダメンタルズ改善期待と同時に米利上げリスクも想起させる。6日の米株反落で後者が意識された可能性がある以上、本日以降、米国株式が騰勢を強めるかどうかが注目される。では、なぜ米株の動向に注視する必要があるのか。それは新興国リスク再燃の鍵を握るからだ。現在の世界経済は米国経済に支えられる「フラミンゴ構造」となっており、それ故グローバル株式市場のトレンドは米株に左右され易くなっている。米金融引き締めを背景に米株が崩れることは、リスク選好の先導役が失われることを意味しよう。その影響は、ファンダメンタルズの面で脆弱性(経常赤字、財政赤字、高インフレ)を抱える新興国市場を直撃しよう。そして新興国リスクが再燃すれば、外為市場では円高の再燃となろう。

また、米株の動向はドル円120円トライの鍵も握るだろう。米金利の上昇のみでは120円トライが困難であることは6日の動向が示唆しているからだ。

尚、9日から10日までイスタンブールでG20が開催される。日欧を筆頭とした先進各国の緩和政策に対して米国サイドから批判が出るかどうかが注目される。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.00:レジスタンスポイント 119.50:レジスタンスポイント
サポート 118.30:一目/基準線(6日現在) 117.88:21日MA(6日現在)

117.00-119.00のレンジを上方ブレイク。今週のトップサイドの焦点は120円トライとなろう。一方、ダウンサイドの焦点は一目/基準線(青ライン)及び21日MA(赤ライン)がサポートラインとして転換するかが注目される。トレンドは上記の通り、米株の動向次第となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.1500:レジスタンスポイント 1.1484:21日MA(6日現在)
サポート 1.1300:サポートポイント 1.1250:サポートポイント

21日MAが次第にレジスタンスラインとして意識されてきた。一方、1.1250レベルでは底堅い展開となっており、目先は1.1250-21日MAのレンジを想定し、どちらをブレイクするかが焦点となろう。

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