材料に事欠かない一週間

Market Overview-日米欧それぞれに材料あり

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今週は外為市場を動かす材料に事欠かない一週間となりそうだ。最大の焦点は引き続き経済指標、特に米欧のそれらとなろう。

14日の海外時間におけるドル相場は、良好な米小売売上高(10月)の結果にもかかわらず、低インフレ観測を背景とした米金利の低下が意識されドルロング優勢地合いの展開となった。特にユーロドルは1.2398レベルから1.2546レベルまで急反発する展開に。しかし、10月 のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値は前年同月比で+0.4%の低い伸びにとどまり、且つ7-9月期の国内総生産(GDP)速報値ではドイツのそれが前年同期比で+1.4%から+1.2%へ低下、域内全体でも同+0.8%と低い伸びにとどまり、ファンダメンタルズの面からユーロを買う材料は見当たらない。今週は米住宅関連指標にドイツのZEW指数等の重要経済指標が発表されるが、これら指標データでユーロ圏経済の低迷と米ファンダメンタルズの改善が確認されれば、ユーロドルは再び1.24割れをトライする展開を想定したい。19日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、利上げに関してどの程度深い議論があったかどうか、この点にも注視したい。

一方、円相場に焦点をフォーカスするならば、国内政局の動向がマーケットの耳目を集めよう。安倍晋三首相が衆院選の日程を「12月2日公示 / 14日投開票」とする方針を固めたとの報道から「消費増税見送り・解散総選挙」はいよいよ現実味を帯びてきたが、すでに国内政局がマーケットに及ぼす影響について様々な予測が出ている。現時点で筆者は「株高・円安」要因と捉えている。そう判断する理由は2つある。ひとつは、黒田日銀による追加緩和のタイミングだ。あのサプライズ緩和がなければ「消費増税見送り→追加緩和観測後退→円高→株安」という負の連鎖が生じるリスクがあった。しかし、黒田日銀が先にカードを切ったことでそのリスクが後退した事実は重要だろう。来年以降、集団的自衛権や原発再稼働といった山積する問題に直面している事実を考えるなら2年前のような大勝は望めないにしても、「国民の信を問う」選挙での勝利となれば今後もアベノミクスの推進、特に日本の潜在成長率の底上げに欠かせない第3の矢である成長戦略(構造改革)をいよいよ推進せざるを得ないとの観測がマーケットで高まろう。

もう一つの理由は、現在のリスク選好トレンドを根底から支えている要因が米国経済にあるということだ。イエレンFRBによる引き締め懸念が徐々に意識されていく中でも、米国マーケットは「株高の維持+金利急上昇の抑制」という理想的な状況にある。この状況を作り出しているのは、米国のファンダメンタルズ改善と日欧による新たな緩和マネーの流入期待だろう。行き過ぎた円安の調整局面は散見されるだろうが、この米国マーケットという土台が崩れない限り、持続的な円高トレンドへ回帰する可能性は低いだろう。そして、2012年12月に安倍政権が誕生する以前から円高トレンドが収束しつつあった事実も振り返るなら、今後の円相場の鍵を握るのはやはり海外動向、特に米国の経済動向となろう。

Today’s Outlook -焦点は日米経済指標とドラギ証言

8時50分に日本の7-9月期実質国内総生産(GDP)速報値が発表される。解散総選挙がメインテーマとして浮上しているため重要度は低くなっており、市場予想の範囲内ならば外為市場への影響は限定的だろう。

NY時間での注目は米国経済指標となろう。日本時間22時30分の11月NY連銀製造業景気指数を皮切りに、米国の重要経済指標が順次発表される。総じて市場予想を上回る内容となれば米株をサポートしよう。焦点は低インフレ継続観測により低下圧力が強まっている米金利の動向だが、米株高に金利が追随(反発)すれば、ドルを買い戻す動きが強まろう。逆に「株高オンリー」のリスク選好となれば、ドル&円売り/資源国&新興国通貨買いの展開となろう。また、日本時間23時には欧州議会の経済・通貨委員会でドラギECB総裁による証言が予定されている。発言内容次第でユーロ売りが再び強まる可能性があろう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 117.00:レジスタンスポイント 116.82:11月14日高値
サポート 116.00:サポートポイント 115.50:サポートポイント

週明けも116円台を維持してスタートしている。米金利の上昇が重なれば今週中に117円台トライの可能性があろう。一方、下値は、116.00下で推移している短期サポートラインの維持が焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.2623:一目/基準線 1.2577:11月4日高値
サポート 1.2400:サポートポイント 1.2358:11月7日安値

「株高オンリー」のリスク選好が継続した場合、今週は一目/基準線レベルトライを想定したい。ただ、遅行線の動向を考えるならば常にユーロベアを想定しておきたい。下値は1.23台への攻防へとシフトするかが焦点となろう。

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