リスクオフのドル高を警戒

Market Overview-上値の重い米株、低下圧力が後退している米金利

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注目された9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年同月比0.3%の上昇にとどまり、伸びが鈍化した。この結果を受け、ユーロドルは目先のサポートポイント1.2600をあっさりと下方ブレイクし、1.2571レベルまで急落する展開に。しかし、同日発表された米経済指標が総じて冴えない内容となったことを受け、一転してドル売り圧力が強まると、再び1.26台を回復する展開に。ユーロ円もHICP発表後138円割れトライとなるも、ユーロドルの反発を受け、138円ミドルレベルまで値を戻し、本日の東京時間を迎えている。

昨日のマーケットで気になったのは、米国株式と米金利の動向だった。前者は、9月の米消費者信頼感指数やシカゴ購買部協会景気指数、そして7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数が市場予想を下回ったことを受け、上値の重い状況が継続。だが、冴えない指標データや軟調な米株を後目に米金利はむしろプラス圏を維持する展開に。この背景には3日に発表される雇用統計(9月分)への期待感もあるだろう。だが、冴えない経済指標にもかかわらずドルインデックスが2010年6月以来となる86.00を突破し昨日の米国マーケットが「米株安・米金利上昇・米ドル高」の状況となったこと、そしてVIX指数が目先の天井である18.00に向けジリジリと上昇し続けている点も鑑みるに、イエレンFRBの早期利上げに対してマーケットが神経を尖らせていることがわかる。

本日以降、米景気の先行き(4Q)を見極める上で重要な経済指標が発表されるが、上記のマーケット動向を考慮する場合、焦点は上振れリスクにあろう。例えば、雇用統計発表前までの指標データが総じてファンダメンタルズ改善傾向を示した上で、雇用統計が強すぎる内容(30万人超、失業率6.0%以下、賃金上昇等)となった場合、ファンダメンタルズ改善期待よりも早期利上げ懸念がより意識されることで、リスクオフのドル高となる可能性があろう。
具体的には、資源国通貨、新興国通貨(特にフラジャイル5)、そして欧州中央銀行(ECB)による緩和強化の可能性が高まってきたユーロに対してドル高トレンドが加速しよう。

Today’s Outlook -経済指標にらみの一日

日本時間8時50分に7-9月期の日銀短観が発表される。焦点は下振れリスクにあろう。先行きも含め予想以上に企業マインドの落ち込みが確認されれば、追加緩和への思惑が台頭し、円売り圧力を強める要因となろう。

また、10時以降には9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)と8月の豪小売売上高が発表される。これらの焦点も下振れリスクにあろう。米引き締め観測がくすぶるタイミングで両国の景気先行き不透明感を強める内容となれば、豪ドル/米ドルは1月24日付けた今年最安値0.8660を目指し下落幅が拡大しよう。

21時15分以降より米経済指標が順次発表される。注目は9月のISM製造業景況指数だろう。米景気の先行指標である同指数が引き続きファンダメンタルズ改善を示せば、ドル高圧力が強まろう。上述した中国&豪州経済指標が総じて下振れた場合、豪ドル/米ドルは今年最安値を更新する可能性が高まろう。

一方、ドル円は米株の動向次第だが、ISM指数が強い内容となった場合、素直に好感されれば節目の110円トライを想定したい。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 110.00:心理的節目 109.85:9月30日
サポート

109.13:10日MA(緑ライン)

108.25:9月23日安値

ベースシナリオは110円の突破で変わらず。昨日高値レベルにはオファーが観測されており、目先はこのレジスタンスポイントの突破が焦点となろう。110.00には厚いオファーの他、オプションバリアも観測されている。上にはストップが置かれている。下値は、109円台(10日MA)の維持が焦点となろう。109.00には厚いビッドが並び始めている。108.80にもビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.2703:9月30日高値 1.2677:5日MA(緑ライン)
サポート 1.2550:サポートポイント 1.2500:心理的節目

心理的節目1.2500トライが視野に。目先の焦点は、ビッドが並んでいる1.2560-1.2550での攻防となろう。米ISM指数の結果次第では、下方ブレイクの可能性があろう。1.2500には厚いビッドの他、オプションバリアも観測されている。一方、上値は1.2675前後で推移している5日MAの突破が焦点となろう。尚、1.2650&1.2680にはオファーが観測されている。

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