円高反転のきかっけは米国サイドからの批判

Market Overview-G20は円安材料だが

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主要20カ国・地域(G20)は、20-21日に財務相・中央銀行総裁会議を開催した。昨年前半のそれとは違い、直近の急激な円安や黒田日銀が講じている金融政策への目立った批判は見られず、「通貨の競争的な切り下げを回避する」という文言を盛り込む程度にとどまった。9月の月例経済報告では、個人消費の判断を下方修正し且つ設備投資の鈍化傾向に警戒感を示したが、7-9月期の実質国内総生産(GDP)で実際に経済成長の低迷が確認された場合、日銀が躊躇なく追加緩和に踏み切ることができる環境にあることが確認されたことは、円安の継続要因となろう。

しかし、今回の会合で最も注視すべきは、米国サイドから足許のドル高について批判が出なかったことだろう。事実上、ドル高を黙認したかたちとなったことで、ドル円は節目の110円突破が現実味を帯びてきたと言える。

しかし、110円突破後もさらに円安が加速するかどうかは、米国サイドの出方次第だろう。ルー米財務長官は「(ユーロ圏と)日本の成長は期待外れだ」と不満を述べ、今年2月の日米財務相会談の際に言及した潜在成長率を高めるために必要な構造改革を引き続き求めてきた。日本サイドが迅速にこの要求に応えることが出来ないと米国サイドが判断すれば、抑え込まれている円安批判が一気に噴出する可能性が高い。早ければ米財務省が為替報告書を議会へ提出する10月中にもそのような事態に陥る可能性がある。現状、円安を阻止する材料はグローバル株式市場の急落か米国サイドからのけん制しか見当たらない。前者は、米早期利上げ懸念の後退により短期的に発生しにくい環境にある以上、円高反転のきっかけは米国サイドにあると言えるだろう。

Today’s Outlook ドル円110円トライ

本日の外為市場で注目すべきは、ドル円の110円トライとなろう。米早期利上げ懸念が後退したことでグローバル株式市場がかろうじてリスク選好トレンドを保っている状況を考えるなら、円売り圧力は継続し109円台を挟んだ値動きが継続しよう。

よって、110円トライの焦点は米金利の動向にあろう。そして米金利は米経済指標の結果に左右される可能性が高い。日本時間23時に発表される中古住宅販売件数(8月)が市場予想を上回るようならば、ファンダメンタルズ改善期待が意識されることで、米国マーケットは「株高+米金利上昇」の展開となる可能性がある。株高に加え米金利がさらに上昇基調をたどれば、ドル円は110円をトライする展開となろう。

また、22時ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が予定されている。可能性は低いが、新たな金融政策に関するメッセージが聞かれるかどうか注視しておきたい。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 110.00:心理的節目 109.50:レジスタンスポイント
サポート 108.59:9月19日安値 108.37:9月18日安値

ドル円はついに110.00が視野に。目先の焦点は、厚いオファーが観測されている109.50レベルの突破だが、上述した通り国際的な円安批判が出なかったG20の状況を考えるなら、110.00トライが現実味を帯びてきたと言えるだろう。尚、このレベルには厚いオファーとともにオプションバリアも観測されている。尚、下値は108円台の維持が焦点となろう。108.50、108.30、108.00にはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3006:21日MA 1.2930:レジスタンスポイント
サポート 1.2800:サポートポイント 1.2788:リトレースメント61.80%

今週もリトレースメント61.80%の1.2788トライを想定しておきたい。このテクニカルポイントを下方ブレイクした場合は、重要サポートポイント1.2750トライとなろう。一方、上値は目先、18-19日に上値が抑えられた1.2930レベルの突破が焦点となろう。このポイントを突破した場合は、21日MAのトライが焦点となろう。

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