各国経済指標にらみの一日

Market Overview-波及するネガティブインパクト

bg_data_1353381

地政学リスクと欧州の景気後退懸念を背景に、グローバル株式市場の不安定な状況は継続。12日の米株式相場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、S&P500種株価指数やナスダック総合も軟調な地合いに終始。主要な欧州&新興国株式市場も総じて上値の重い展開となった。一方、欧米債券市場やNY金先物12月限(COMEX)は、地政学リスクが意識されるも小幅なレンジで神経質な展開に。外為市場でも目立ったトレンドは確認されなかったが、ドイツのZEW景気期待指数(8月)の悪化を受け、対ドルでユーロ売り優勢の展開に。シカゴIMMでユーロショートが過去2年間で最大に積みあがっていることもあり、ユーロドルはサポートポイント1.3330レベルではショートカバーが入るも、地合いの弱さは否めず。また、英中銀(BOE)の四半期インフレレポート発表を前に、ポンドのショートを買い戻す動きも強まった。円相場はレンジ相場が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

ロシア・ウクライナリスクがどの程度ドイツ経済に負の影響(ネガティブインパクト)を及ぼしているのか、この点を見極める上で注目されたのがドイツのZEW景気期待指数(8月)だったが、結果は2012年12月以来の低水準となる8.6。前月の27.1から大幅に悪化し、且つ8か月連続で低下した。このリスクが、域内のけん引役であるドイツ経済に相当のネガティブインパクトを及ぼしていることが具体的な数値で確認され始めたことで、しばらく欧州株式とユーロ相場には売り圧力が強まる可能性が高まった。特に注目すべきは、対ドル&円で攻防分岐に差し掛かっているユーロ相場の動向だろう。域内の景気回復スピードの後退(イタリアはリセッション入りし、ドイツQ2GDPは前期比でマイナスの予想)と、ウクライナを巡り欧州とロシア間で制裁の応酬が激化すれば、さらなる欧州株の下落を誘発しよう。欧州株の下落は、債券市場への資金シフトを加速させ将来の米独金利差拡大観測を強めよう。結果、ユーロドルは週足の一目/雲の下限、ユーロ円は2012年7月を起点とした長期サポートラインを下方ブレイクしよう。ショートカバーが散見される局面はあるだろうが、中長期スパンでのベアトレンドの見通しに変化はない。

Today’s Outlook -経済指標にらみの一日

本日は経済指標にらみの一日となろう。アジア時間は、日本の4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値と中国経済指標が発表される。より注目すべきは中国の経済指標だろう。日本時間14時30分に小売売上高(7月)と鉱工業生産(同月)が発表される。欧州経済に再び不透明感が強まる中、当局による財政刺激策が奏功する結果となれば、グローバル株式市場におけるリスク回避ムード後退に一役買おう。外為市場では豪ドル相場をサポートしよう。逆に総じて市場予想を下回る内容となれば、株安を加速させると同時に外為市場では豪ドル売りと円買い圧力が強まろう。

欧州時間では、英雇用関連指標と四半期インフレリポートが焦点となろう。前者の指標で市場予想通り雇用改善傾向が示されれば、素直にポンド買い圧力が強まろう。ただし、持続的なポンド買いは日本時間18時30分に公表される四半期インフレリポートとカーニー総裁のスタンス次第だろう。回復途上にあるとは言え未だ脆弱さを内包している英経済と、上述したロシア・ウクライナリスクが及ぼすネガティブインパクトを重要視し、年内の利上げをマーケットに期待させるような内容・スタンスを示す可能性は低いと考える。よって、本日のポンド相場は上下に振れる展開を想定したい。

最も注目すべき経済指標は、日本時間21時30分に発表される小売売上高(7月)だろう。個人消費が予想以上に拡大していることが確認されれば、上値の重い米株のサポート要因となろう。米国外のリスク要因を考えれば、早期利上げ『懸念』が台頭する可能性は低いからだ。米株が堅調に推移すれば米金利への低下圧力が後退することで、ドル高圧力が強まろう。特に対ユーロでは上記の一目/雲の下限を下方ブレイクする展開を想定したい。ドル円は102.35前後で推移している200日MAを上方ブレイクする展開となろう。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 102.93:レジスタンスライン 102.34:200日MA(黄ライン)
サポート 102.03:21日MA(赤ライン) 101.98:89日MA(青ライン)

上値は103.00を目先の上限とし、再び200日MAを突破出来るかどうかが焦点となろう。突破に成功すれば、102.90前後で推移しているレジスタンスラインを目指す展開となろう。下値は、21日MA及び89日MAでの攻防に注目したい。下方ブレイクした場合は、8月8日安値100.51レベルが次のサポートポイントとして浮上しよう。オファーは102.50―60レベルと103.00に観測されている。ビッドは102.00、101.80そして101.50レベルにそれぞれ観測されている。尚、ストップは102.80上、101.50下に置かれている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3431:21日MA 1.3388:10日MA
サポート 1.3333:8月6日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

再び上値の重さが目立ち始めてきた。10日MA(赤ライン)に上値を抑えられるようならば、8月6日安値1.3333をトライする展開が継続しよう。下方ブレイクすれば、週足の一目/雲の下限での攻防へとシフトしよう。尚、1.3335、1.3330そして1.3320にはそれぞれビッドが置かれている。また、1.3325にはオプションバリアの観測もあり、雲の下限レベルは相当な神経戦となろう。オファーは1.3450以上から断続的に並んでいる。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。