米株、さらに下値を模索する可能性も

米株、さらに下値を模索する可能性も

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7日のグローバル市場はリスク回避ムードがさらに強まる状況に。グローバル株式はロシア・ウクライナ情勢の緊迫化を受け、軟調な地合いが継続した。米株式相場でダウ工業株30種平均は前日比75ドル07セント(0.5%)安の1万6368ドル27セントと、4月25日以来、約3カ月ぶりの安値で終了。S&P総合500種、ナスダック総合も下落。また、主要な欧州&新興国株式も総じて軟調な地合いとなった。株式市場の軟調な地合いは『質への逃避』を促し、米独金利は低下。特に独10年債利回りは欧州中央銀行(ECB)の緩和政策も合わさり過去最低を更新(1.07%)すれば、2年債利回りは2013年5月24日となるマイナス圏(-0.004%)へと低下した。一方、NY金先物12月限(COMEX)は続伸。そして外為市場では、円買い優勢の展開となった。

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、域内景気の下方リスクに言及すると同時に、ウクライナ情勢の緊迫化を受けた地政学的リスクを新たな景気回復の阻害として注視する姿勢を示してきた。この『内憂外患』の状況を一朝一夕で解決出来るようなマジックは当然ない。よって、外為市場では米欧の金融政策のコントラスト(方向性の違い)を背景に、ユーロ売り圧力が継続しよう。実際、ドラギ総裁はABS購入と量的緩和が選択肢と言及。コントラストが今後鮮明になる可能性が高く、ユーロドルは今秋以降、節目の1.30に向け下落幅が拡大する展開を想定している。

ただ、その前提として米国ファンダメンタルズの継続的な改善があることは言うまでもない。今回のリスク回避の根底にあるのは、ロシア・東欧と中東の地政学的リスクだが、ドラギ総裁も述べたように危機の初期段階で各種リスクの影響を評価するのは難しい。米ファンダメンタルズ改善を阻害する証拠が9月以降の経済指標で確認されれば、外為市場ではイエレンFRBによる超低金利政策の長期化が意識され、ユーロドルでの1.30トライの可能性は後退しよう。また、米ファンダメンタルズ回復期待の後退は、米株にとってもネガティブ要因であることから、ドル円は今年最安値100.75レベルをトライする展開を想定したい。

Today’s Outlook -米株の動向を注視

本日は日銀金融政策決定会合が開催されるが、マーケットの関心は低い。黒田日銀がサプライズを提供する可能性も低いだろう。また、日本時間8時50分に発表予定の日本の国際収支統計や中国の貿易収支(7月、発表時間未定)以外、外為市場にインパクトを与える経済指標も予定されていないことから、本日は株式にらみの展開となろう。

その株式市場だが、焦点はリスク選好の先導役である米国株式の動向だろう。企業決算を乗り切り、直近の経済指標がファンダメンタルズの持続的な改善傾向を示しているにもかかわらず、上値の重い状況が続いている。以前も指摘したように、夏休みシーズンに絡んだ調整ならば問題はない。しかし、イエレンFRBの早期利上げ懸念に加え、上述した地政学的リスクまでが米経済に及ぼす負の影響を早くも懸念し始めている兆候ならば、本日も下値を模索する展開となろう。グローバル株式が総じて軟調となれば、円相場はドル円・クロス円共に円高優勢、新興国通貨には売り圧力が強まろう。一方、ドル相場だが、対円では米金利の低下も合わさり下落しよう。一方、対新興国通貨や資源国通貨ではドル買い優勢の展開を想定している。

また、ユーロドルは、テクニカル&オーダー状況を鑑みるに、週足の一目/雲の下限レベルで神経戦となるのではないか。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.00:レジスタンスポイント 102.29:200日MA
サポート 101.92:21日MA 101.78:8月6日安値

上値は103.00を目先の上限とし、再び200日MA(黄ライン)を突破出来るかどうかが焦点となろう。下値は、102.00前後の攻防に注目したい。下方ブレイクした場合は、レンジの下限である101.00を視野に下落スピードが加速しよう。尚、朝方のオーダー状況だが、102.50から103.00にかけてはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは、102.00から101.70にかけて観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3395:10日MA 1.3379:5日MA
サポート 1.3333:8月6日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

攻防分岐は、1.3320レベルで推移している週足の一目/雲の下限だろう。上の1.3325レベルにはオプションバリア、1.3320レベルにはビッドが観測されており、テクニカル&オーダー状況の両面でユーロドルをサポートする可能性が高い。しかし、重要サポートポイントである以上、下方ブレイクする展開はさらなるユーロ売りシグナルとして認識され、1.32台の攻防へとシフトしよう。一方、上値は1.34台への再上昇が焦点となろう。

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