今後の焦点は米引き締め懸念の払しょく

Market Overview-リスク回避の根底に米引き締め懸念

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7月31日のグローバル株式は、総じてリスク回避優勢の展開となった。冴えない米企業決算、ロシアへの追加制裁に伴うユーロ圏経済への悪影響、そしてアルゼンチンの債務不履行(デフォルト)が投資家心理を圧迫したとの指摘がある。

だが、グローバル株式全体がこのような状況に陥った真の要因は、イエレンFRBによる引き締め懸念だろう。昨日の米株式でダウ工業株30種平均は300ドル超の下落となれば、S&P500、ナスダック総合も軒並み下落。一方、米債券市場では金利低下圧力が強まる展開とはならなかった。外為市場ではドル高トレンドが継続し、ドルインデックスは重要レジスタンスポイント81.50を完全に突破。対照的に新興国通貨は対ドルで軟調地合いが継続中。また、NY金先物相場も大幅に続落する等、グローバルマーケット全体を俯瞰した場合、リスク選好の土台であり続けたイエレンFRBの緩和継続スタンスに変化が生じること、つまり早期利上げへの懸念が見て取れる。

よって、今後最も重要なテーマとなるのは、米ファンダメンタルズ改善期待が、早期利上げ懸念を払しょくできるかどうかだろう。注目は引き続き経済指標となるだろうが、本日の雇用統計(7月)をはじめ個人消費や住宅関連指標が総じて市場予想を上回れば、『ファンダメンタルズ改善期待>早期利上げ懸念』を背景に『米株高+金利上昇+ドル高』の展開となろう。円相場では円安優勢となろう。また、株高オンリーのリスク選好状態から脱することから、新興国通貨も対ドルで売り優勢の展開となろう。

問題は、『ファンダメンタルズ改善期待<早期利上げ懸念』となった場合だろう。7月下旬以降、VIX指数が上昇傾向にあり、にわかにリスク回避ムードが強まっているタイミングで、米ファンダメンタルズ改善期待を後退させる指標内容が重なれば、米株式全体で一気に調整色が強まろう。米国外でくすぶり続ける各種リスク要因も考えるなら、グローバル株式市場全体が崩れる可能性も想定すべきだろう。この場合、米株が適正水準価格で落ち着くまで、外為市場では円買い圧力が継続しよう。ドル円はレンジの下限である101.00を再びトライする可能性が高まろう。一方、新興国通貨、資源国通貨そして高金利通貨は頼みの綱である株式が崩れることから、下落スピードが加速しよう。

Today’s Outlook -焦点は雇用統計と個人消費支出

本日の焦点は、米経済指標となろう。より注目すべきは、日本時間21時30分に発表される雇用統計(7月)と個人消費支出(6月、PCEコア・デフレータ)となろう。それまで外為市場では目立った値動きは見られないだろう。円相場は、国内株式にらみの展開となるだろうが、米引き締め懸念を背景にグローバル株式がリスク回避優勢となる中で上昇は期待できない。また、直近の円安トレンドも考えるならイベント前に調整が入ることも予想される。よって、雇用統計発表前までは、円高優勢の展開を想定したい。

その雇用統計だが、非農業部門雇用者数は6か月連続で20.0万人を超える見通しとなっている。失業率は横ばいの6.1%。ただ、労働参加率や賃金動向といった中身にも注視すべきだろう。『質』の面でも労働市場の回復が確認されれば、マーケットは米ファンダメンタルズ改善を意識し、『米株高+金利上昇』の展開となろう。ドル相場には持続的な上昇圧力がかかり、円相場全体は円安トレンドへ振れるだろう。逆に冴えない内容となれば、リスク回避圧力が強まっているタイミングだけに、円高圧力が強まろう。

また、同時刻の個人消費支出にも注目したい。ファンダメンタルズ改善に伴い上昇傾向が確認されれば、マーケットは米早期利上げを意識しよう。ただ、雇用統計が冴えない内容となれば、米金利変動リスクを背景に米株の下落要因ともなり得るため要注意。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.50:レジスタンスポイント 103.09:7月30日高値
サポート 102.19:200日MA 101.78:21日MA

年初来高値105.44を起点としたレジスタンスラインを一気に上方ブレイクし、その後もこのラインより上の水準を維持している。引き続き上値トライを想定したい。焦点は、103.15-20の攻防だろう。オファーと同時に103.20上ではストップが観測されている。突破した場合は、ドル高トレンドが加速しよう。一方、下値は102円台の維持が焦点となろう。テクニカル面では200日MA(黄ライン)での攻防に注目したい。尚、102.60以下より断続的にビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3436:10日MA 1.3404:5日MA
サポート 1.3367:7月30日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

目先の焦点は、7月30日安値1.3367レベル。次の焦点は、オプションバリアが観測されている1.3350となろう。1.33前半の攻防となれば、週足の一目/雲の下限の維持が焦点として浮上しよう。1.3420から1.3500にかけては断続的にオファーが並び始めている。1.3350から1.3300にかけてはビッドが並んでいる。

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