焦点は米雇用統計と長期金利の反応

Market Summary
昨日の海外外為市場は、ECBイベントを受けユーロ売り優勢の展開となった。声明文で量的緩和の拡大に関する表現が削除されたことを受け、ユーロドルは一時1.2446まで上昇する局面が見られた。しかし、その後のドラギ会見では金融政策の変更について新たなシグナルは発信されず、また来年のインフレ見通しを1.5%から1.4%へ引き下げたこともあり、一転ユーロ売りの展開へ。一時は1.23台を割り込み、1.2296まで下落する局面が見られた。一方、ユーロ円も132円手前から130.49まで急落する局面が見られた。ドル円は、対ユーロでの米ドル買いがサポート要因となり、106円前半を堅持した。

米国株式は、通商政策リスクが後退したことを受け主要3指数がそろって上昇した。だが、原油安や2月米雇用統計を見極めたいとの思惑もあり上昇幅は限定的だった。NY原油先物4月限は、対ユーロでの米ドル高や米国の産油量増加が嫌気され、前日比1.03ドル安の1バレル=60.12と続落した。NY金先物4月限も対ユーロでの米ドル高が意識され、前日比5.9ドル安の1トロイオンス=1,321.7と続落した。

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Market Analysis
トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の実施を命じる文書に署名した。安全保障上の観点から同盟国については個別に協議する道筋を示し、またカナダとメキシコについては当面免除することとした。当初の強硬姿勢から軟化したことで、昨日の米国株式は上昇で反応。ボラティリティにも大きな変動は見れらない。だが、年初からの動向を振り返るならば、直近の株式ボラティリティの低下(=米国株式の反発地合い)は通商政策リスクの後退よりも、現状2.9%前後でキャップ状態の米長期金利の動向が大きく影響している(チャート①)。一気に3.0%の水準を目指す展開とならない限り、米国株式の堅調地合いは継続しよう。その米長期金利の上昇要因として本日注視すべきは、2月の米雇用統計となろう。市場予想(非農業部門雇用者数:20.5万人 / 失業率:4.0%)は、雇用情勢が相変わらず堅調であることを示唆している。焦点はやはり賃金動向となろう。平均時給(前年同月比)の予想は2.8%増。前回の2.9%増は悪天候による特殊要因と一部で指摘されたが、今回の統計でも堅調な賃金の伸びが確認されれば、市場は将来のインフレ上昇とFEDによる利上げペースの加速を意識するだろう。米雇用統計を受け長期金利が3.0%を視野に一気に急騰する展開となれば、外為市場では米ドル高圧力が強まろう。一方で米長期金利の急上昇は、米国株式の下落要因となろう。また、米ドル高の加速は国際商品市況の下落要因となる。よって、良好な雇用統計でも米長期金利の反応次第では、円高圧力が強まることを警戒したい。米長期金利が急騰する場合、ドル円は105円台の攻防を想定したい。米国市場が「株高維持 / 長期金利の緩やかな上昇」となるならば、短期レジスタンスラインもしくは21日MAをトライする展開となろう。一方、米雇用統計が総じて市場予想を上回る場合のユーロドルは、昨日相場をサポートした10日MAを完全に下方 ブレイクし、重要サポートポイント1.2170レベルを視野に調整相場がさらに進行しよう。一方、上値の焦点は1.24台の再上昇となろう。

【チャート①:米長期金利 / 米株ボラティリティ】

米10年債利回り VIX

【チャート②:ドル円】

ドル円

【チャート③:ユーロドル】

ユーロドル

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