リスク「オン」は米国に、「オフ」は欧州に

Market Overview-米株は高値圏維持、リスク要因は欧州にあり

米住宅市場の改善期待を背景に、23日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は3日続伸。S&P500種株価指数は初めて終値ベースで1900の節目を超え、最高値を更新した。

対照的に米債券市場では、住宅関連指標の影響は限定的となり各ゾーンで利回りが低下。相変わらずの低空飛行が継続した。4月以降の米国経済指標は、強弱まちまちながらも、年初の寒波の悪影響による経済の落ち込みが、一時的な現象であることを裏付ける内容が続いている。にもかかわらず、株高に金利が追随出来ない状況を鑑みるに、目先、6月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)まで、この状況が続くことを想定したい。米金利低空飛行の根底には、イエレンFRBの超低金利政策に強くコミットしたスタンスがあるからだ。

よって、今週は「株高オンリーのリスクオン」が継続するかどうか、この点が焦点となろう。その鍵を握るのが米国株式にあることは言うまでもないが、その米株の動向を左右するのは明日以降の経済指標となろう。総じて米ファンダメンタルズ改善を示す内容となれば、米株を先導役とし、グローバル株式は堅調に推移しよう。円相場は円安トレンド優勢の展開となろう。

一方、リスク要因は欧州にあろう。具体的には、ウクライナの地政学的リスクと欧州議会選挙だ。前者に関しては、ロシアの出方次第だろう。大統領選挙を巡り、親欧米路線を掲げる元外相のポロシェンコ氏が勝利宣言をし、オバマ米大統領は「ウクライナ新大統領との協力を楽しみにしている」と、即座に歓迎の意向を表明。だが、ウクライナ東部の混乱を鑑みるに、ロシアが裏から東部の分離独立を画策する手段に出れば、今回の選挙結果がさらにウクライナの地政学的リスクを高めよう。また、後者に関しては、ギリシャで反欧州連合(EU)を掲げる政党・急進左派連合(SYRIZA)が躍進したとの報道が流れている。緊縮財政拒否の国内世論が加速すれば、同国のユーロ離脱懸念が再燃する可能性をマーケットは意識しよう。また、フランスでも反EU政党が躍進している点も欧州の政治リスクを意識させる可能性がある。今週は欧州が震源地となり、米株を先導役とした「株高オンリーのリスクオン」に水を差すかどうか、この点も注視すべきだろう。

 

Today’s Outlook -レンジ相場の一日

本日の円相場も、引き続き株式にらみの展開となろう。リスクオンの先導役である米国株式で史上最高値圏での攻防が続いている影響を受け、週明けの国内株式は堅調に推移する可能性が高い。日米で株高継続ならば、外為市場では円安トレンド優勢となろう。ドル円は下記「Today’s Chart Point」で指摘しているレジスタンスポイント102.30-35レベルを突破出来るかどうか、この点が焦点となろう。上述した2つのリスクに加えて、欧州中央銀行(ECB)による「6月緩和強化」までが意識される中、ユーロ円は138.20前後で推移している200日MAの維持が焦点となろう。

株安・円高要因として注視すべきは、ウクライナの地政学的リスクだろう。だが、本日は英米市場が祝日で休場の上、重要経済の指標の発表も予定されていない。よって、リスクオンとなってもオフとなっても、レンジ相場に終始する可能性が高い。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.36:5月13日高値 102.28:89日MA
サポート 101.32:200日MA 100.75:2月4日安値

102円台へしっかり乗せてくる展開となれば、次の焦点として浮上するのは、102.30-35レベルだろう。5月13日高値に102.36レベルで上値が抑えられた経緯がある他、89日MA(赤ライン)も102.30前後まで低下している。下値は200日MA(黄ライン)の維持が焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3750:レジスタンスポイント 1.3725:一目/雲の下限
サポート 1.3638:200日MA 1.3550:サポートポイント

ついに200日MAを下方ブレイク。今週は、1.35台の攻防へシフトする可能性を意識したい。そのような展開となった場合、最初のサポートポイントは、厚いビッドが観測されている1.3550レベル。上値は、引き続き一目/雲の下限から1.3750レベルのレジスタンスゾーンを突破出来るかが注目される。

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