マーケットは再び「綱引き」状態へ

Market Overview-俄かに後退するリスクオンムード

冴えない小売り関連企業の決算を受けた個人消費低迷への警戒感から、20日のダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落。S&P500種株価指数も軟調な地合いとなった。軟調な米株の動向を受け、米金利は低下(債券価格は上昇)。米国以外の株式市場に目を向けると、主要な欧州&新興国株式は軟調な地合い、外為市場では円買い優勢、そしてNY金先物6月限が小幅ながら反発し1300ドルの節目をトライし続ける等、俄かにリスクオンムードが後退し、リスクオフムードが強まる兆しが見え始めてきた。

再びオンとオフの「綱引き」状態に陥りつつあるマーケットだが、根強い中国景気減速懸念や25日のウクライナ大統領選挙等を考えるなら、綱引きの綱が再びリスクオフサイドへ引っ張られる可能性があろう。そして「綱引き」ムードが強まる中、本日は下記「Today’s Outlook」で指摘している日米金融当局者の発言と金融政策の方向性が焦点となろう。

 

Today’s Outlook -焦点は黒田日銀とイエレンFRBのスタンス

リスクオンムードが後退し、リスクオフムードが俄かに強まる中、本日の国内株式は軟調に推移する可能性が高い。国内株式がそのような展開となれば、外為市場では円高優勢の展開となろう。NYタイム前の焦点は、日銀金融政策決定会合と黒田総裁の会見となろう。今会合では、現行の金融政策は維持する公算が大きい。加えて黒田総裁が日銀の描くシナリオに沿って実体経済が推移する、というこれまで通り強気の見解を示せば、リスクオンの先導役である米国株式の上値が重くなっているタイミングでもあり、明日以降、国内株式で売り圧力が強まる展開を想定したい。日米株式が揃って崩れるような展開となれば、円高圧力もさらに増そう。また、円高要因として、本日発表される4月の貿易統計(通関ベース)における赤字幅の縮小額にも注目したい。

NYタイムでは、日本時間0時以降に予定されいるイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の講演と、翌3時の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容に注目したい。改めてFRBのハト派スタンス継続が確認される内容ならば米株をサポートする可能性が高い。新興国市場全般にとっても、ポジティブ要因となろう。一方、米債券市場では金利の低空飛行が続き、ドル相場全体は上値の重い状況が継続しよう。

一方、可能性としては低いが、FOMC議事録で量的緩和(QE3)終了後の出口戦略が議論されていたことが判明すれば、タカ派サプライズとなろう。この場合は、「米株安・金利反発・ドル買い優勢」となる可能性が高い。グローバル株式市場も軟調な地合いとなることで、外為市場ではクロス円を中心に円買い圧力が強まると考えられる。ドル円は101.30前後で推移している200日MAの攻防となるだろう。株安を背景とした円買い圧力が勝り200日MAはおろか、101.00下のストップをヒットすれば、重要サポートポイント100.75を視野に入れる展開となろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.00:レジスタンスポイント 101.96:21日MA
サポート 101.00:サポートポイント 100.75:2月4日安値

重要サポートポイント101.20台(200日MA)を突っ掛ける動きが継続。下値の焦点は101円台の維持に。101.10&101.00には厚いビッドが観測されている。101円割れとなれば、攻防分岐の100.75を視野に、さらに下落スピードが加速しよう。上値は、102.00レベルまで低下してきた21日MA(赤ライン)での攻防に注目。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3750:レジスタンスポイント 1.3722:一目/雲の下限
サポート 1.3634:200日MA 1.3600:サポートポイント

1.37を挟んだ攻防が継続。上値は日足の一目/雲の上限での攻防に引き続き注目。下値は1.36台の維持が焦点となろう。テクニカル面では200日MAでの攻防に注目したい。

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