不穏な日株と円相場 黒田日銀の動向に注目

Market Overview-米株高に追随出来ない日株と円相場

19日の米株式相場で、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数はともに続伸。米金利は、明日のイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の講演や連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表を前に、ほぼ横ばい。欧州&新興国株式は強弱まちまち、新興国通貨にも目立った値動きが見られず、NY金先物6月限は1300ドル付近でこう着した状況が続く等、マーケットは次の材料待ちムードが強まっている。

このような状況の中、注視すべきは日経平均と円相場の動向だろう。今年に入ってからの日米株式のパフォーマンスを比較すると、米株高に追随出来ない日本株の現状が浮き彫りになっている。実際、日経平均は1万4000円の節目を割り込み、TS倍率も低下傾向となっている。それでも円相場はかろうじて円安トレンドを保ってきたが、今月に入り、ドル円が200日MAの攻防へシフトし、ユーロ円が今年2月上旬以来の水準まで下落する等、国内株式のみならず円相場でも「アベノミクス」失望相場へ突入するムードが漂い始めている。

この状況が加速するかどうかは、6月に打ち出される成長戦略の中身次第だろう。しかし、直近の国内市場の動向を考えれば、明日の日銀金融政策決定会合に注目したい。当初、筆者は今回の会合は無風で通過すると考えていた。しかし、米株高に追随出来なくなってきた上記の状況と、25日のウクライナ大統領選挙や一時下火になっていた中国の景気減速リスクが再び台頭しつつある現状(上海総合指数が不動産市場の落ち込みや銀行間の資金融通規制を背景に3週間ぶりの安値まで下落する展開)も考えれば、「株安・円高」トレンドが本格化する前に、黒田日銀が先手を打って追加緩和を滲ませる可能性は否定出来ない。黒田総裁がハト派スタンスを鮮明にすれば、とりあえず国内株式は1万4000円台、ドル円は101円台(200日MA)を維持する展開となろう。逆にこれまで通りのスタンスを継続すれば、国内株式への下押し圧力がさらに強まり、ドル円は攻防分岐の100.75を視野に下落する可能性が高まろう。

 

Today’s Outlook -材料難と明日のイベント控え動意の薄い一日

円相場は、引き続き株式にらみの展開となろう。米株続伸の影響を受け、日経225先物6月限は堅調に推移。リスクセンチメントに悪化の兆しが見え始めている国内株式が終始プラス圏で推移すれば、アジア時間は円売り優勢となろう。ただし、本日は重要経済イベントや米国経済指標が予定されていない。また、明日の日銀&FRBのイベントも考えるなら、株高となっても急激な円売り圧力が強まる可能性は低いだろう。また、外為市場全体も動意の薄い一日となろう。

注目は欧州タイムのポンド円だろう。日本時間17時30分より消費者物価指数(4月)、小売物価指数(同月)が発表される。総じて改善傾向が続く見通しとなっており、市場予想以上ならば、対ドル&ユーロでポンド買い優勢となろう。そこに株高が加われば、ポンド円は日足の一目/雲を突破し、171.50前後で推移している基準線(チャート画像:赤ライン)を視野に上昇が加速しよう。一方、英経済指標が総じて市場予想を下振れた場合は、170円台を維持出来るかが焦点となろう。テクニカル面では、5月2日高値173.47からのリトレースメント38.20%戻し169.80前後の攻防に注目したい。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.04:21日MA 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.10:サポートポイント 100.75:2月4日安値

重要サポートポイント101.20(200日MA)を一時的にせよ下方ブレイク。下値の焦点は101円台の維持へ。101.10&101.00には厚いビッドが観測されている。101円割れとなれば、攻防分岐の100.75を視野にさらに下落スピードが加速しよう。上値は、102.00レベルまで低下してきた21日MAでの攻防に注目。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3750:レジスタンスポイント 1.3722:一目/雲の下限
サポート 1.3630:200日MA 1.3600:サポートポイント

1.37を挟んだ攻防が継続。上値は日足の一目/雲の上限での攻防に引き続き注目。下値は1.36台の維持が焦点となろう。テクニカル面では200日MAでの攻防に注目。

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