センチメントを左右する米国株式

Market Overview-先導役を失い、俄かに後退するリスクオンムード

15日の米株式相場でダウ工業株30種平均は、ウォルマート・ストアーズの冴えない決算内容や米鉱工業生産指数(4月)がマイナス0.6%と低下したことが嫌気され、大幅に続落。下げ幅としては4月10日以来、約1ヶ月ぶりの大きさとなった。

リスクオンの先導役を失ったことで、米債券市場では金利の低下が継続。10年債利回りは、昨年10月30日以来となる2.472%まで一時低下する展開へ。2年債、30年債利回りも揃って低下した。一方、主要な欧州&新興国株式市場も軟調な地合いとなる等、俄かにリスクオンムードが後退しつつある。だが、ウクライナの地政学的リスクがくすぶり続ける中でもNY金先物6月限が反落する等、グローバル市場がリスクオフへ一気に方傾くムードも今のところ感じられない。

このままリスクオンムードが後退し続け、トレンドがリスクオフへ転じるのかどうか、この点は米国株式次第だろう。ただ、直近の下落は高値警戒感に伴うポジション調整の範囲内でおさまる可能性が高いと考えられる。昨日発表された鉱工業生産指数以外の米国経済指標を確認すると、NY連銀製造業景気指数(5月)は19.01 と、2010年6月(20.67)以来ほぼ4年ぶりの高い水準まで回復した。新規失業保険申請件数も29.7万件と、2007年5月以来約7年ぶりの水準まで低下。さらに、消費者物価指数は前月比および前年同月比でともに上昇し、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(5月)も市場予想を上回る15.4となった。2日に発表された強い雇用統計(4月)も含め一連の経済指標が、寒波による一時的な悪影響を乗り越え、米ファンダメンタルズ改善傾向を示唆していることは、今後の米国株式における最大の下支え要因となろう。また、イエレンFRBの超低金利政策にコミットしたスタンスも米株だけでなく新興国株式市場のサポート要因ともなるため、昨年5月のバーナンキショックや今年1月の新興国リスクを背景とした全面的なリスクオフへ突入する可能性は現時点では低いと考える。

 

Today’s Outlook -焦点は米経済指標と株式の反応

その米国株式だが、今日も経済指標にらみの動向となろう。日本時間21時30分より住宅着工件数(4月)と建設許可件数(同月)、22時55分にミシガン大学消費者態度指数・速報値(5月)が発表される。住宅市場と消費者マインドの改善傾向が示されれば、米国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費拡大観測が強まることで、米国株式の反転要因となろう。米株が反発すれば、円相場ではクロス円を中心に円買い圧力が後退しよう。だが、ユーロ円は、欧州中央銀行(ECB)による「6月緩和」を意識し、米株高となっても上昇幅が限られる可能性が高い。

米国株式以外で注目すべきは、やはり米金利の動向だろう。イエレンFRBのスタンスに加え、ユーロ圏のディスインフレ懸念とECBによる「6月緩和」観測の影響も考えるなら、目先、米金利が反転する可能性は低い。金利反転のきっかけとして期待できるのは、次回の米連邦準備理事会(FOMC)でイエレン議長が金融政策の方向性を示した場合だろう。それまでは、米経済指標が強い内容となっても、一時的に金利低下圧力を後退させる程度の影響にとどまり、反転させるほどのインパクトはないだろう。よって、ドル相場は引き続き上値の重い状況が続く可能性が高い。円相場は、株式市場の動向(特に米株の動向)により左右される状況が継続しよう。

 

Today’s Chart Point

レジスタンス 102.14:21日MA 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

重要サポートポイント101.20(200日MA、黄ライン)トライの展開を想定。下方ブレイクした場合は、厚いビッドが観測されている101.00が次のターゲットとして浮上しよう。このサポートポイントをも下方ブレイクする展開は、攻防分岐の100.75トライを意味しよう。尚、このサポートポイントにも厚いビッドが観測されている。上値は、21日MA(赤ライン)の攻防に注目。

ユーロドル

レジスタンス 1.3750:レジスタンスポイント 1.3722:一目/雲の下限
サポート 1.3627:200日MA 1.3600:サポートポイント

200日MAトライが現実味を帯びてきた。このMAを下方ブレイクすれば、1.35台の攻防へシフトする可能性が高まろう。上値は1.3750レベルの攻防に注目。このレベルから1.3780にかけては断続的にオファーが並び始めている。

 

Today’s Chart

ドル円日足チャート
ユーロドル日足チャート

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