「株高オンリーのリスクオン」継続なるか

Market Overview-株高オンリーのリスクオン

外為市場では米ドル売りが進行中。ドル円は100.75(2月4日安値)を起点としたサポートラインをトライする展開となれば、ユーロドルは1.3967(3月13日高値)を起点としたレジスタンスラインを完全に上方ブレイク。これらの動向を反映し、対主要6通貨に対する米ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは、ついに重要サポートポイント79.00を視野に入れる展開となっている。ドル売り要因のひとつとして注目すべきは、米金利の低下だろう。10年債利回りは、目先の下限とされる2.60%を割り込む局面が散見されている。先週金曜日の米雇用統計(4月分)をもってしても米金利への低下圧力が後退しない事実は、米連邦準備理事会(FRB)による超低金利政策の長期化をマーケットが強く意識し続けていることの証左と言える。

しかし、米ドル売りが進行している背景には、米金利以外にもうひとつの要因がある。それは米国株式市場が史上最高値圏を維持していることだ。直近は利益確売り優勢となっているものの、主要な新興国株式が崩れていない状況を考えるなら、グローバル株式で今年1月のようなリスクオフムードが強まっている印象はない。新興国市場が崩れるならば、相対的に米ドルへの逃避需要が増す展開も考えられるが、現在は「株高オンリーのリスクオン」となっていることから、米ドルは対新興国通貨でも軟調な地合いとなりやすい状況となっている。クロス円が崩れていないことも考えるなら、要は典型的なリスクオン相場になっているとも言えるだろう。

よって、今後の焦点は、この状況がいつまで継続するかどうかだろう。少なくとも今週は、重要な米経済指標の発表が予定されていないことを考えるなら、「株高オンリーのリスクオン」の週となる可能性があろう。そのような展開となれば、外為市場では米ドル&クロス円は売り優勢の展開となろう。対照的に、高金利通貨と新興国通貨は対ドル&円で堅調に推移しよう。

問題は、米国株式が崩れた場合だろう。混迷の度合いが深まっているウクライナ情勢に加え、「Sell in May」により米国株式が一時的にせよ崩れるならば、グローバル株式市場ではリスクオフムードが強まろう。その場合、外為市場では円買い圧力が強まろう。特にドル円は、株安を背景とした円買い圧力と、米金利低下を背景としたドル売り圧力が合わさることで、攻防分岐の100.75(2月4日安値)を下方ブレイクする展開となってもおかしくないだろう。

Today’s Outlook -注目はイエレン議長の証言

米ドル売り優勢の中、注目すべきはイエレンFRB議長の議会証言だろう。引き続き超低金利政策継続の方針に言及するならば、米ドル売りは継続(もしくは加速)しよう。

注目は上述した米国マーケットの動向だろう。米株高と金利低下が車の両輪のように連動し続けるならば、主要な新興国市場の株式や通貨は堅調に推移しよう。円相場は、クロス円を中心に円売り圧力が継続しよう。ドル円は株高を背景とした円売り圧力と、米金利低下を背景としたドル売り圧力が相殺し合うことで、101円台を中心としたレンジ相場となる可能性が高い。

サプライズは“タカ派のイエレン”にあろう。イエレン議長が予想外に利上げに前向きな姿勢を示すならば、「株安・米金利上昇」となり、リスクオフの「米ドル&円買い」の展開となってもおかしくない。しかし、直近の言動を鑑みる限り、この可能性は低いだろう。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.15:5月6日高値 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

100.75(2月4日安値)を起点としたサポートラインを完全に下方ブレイクすれば、サポートポイント101.20を視野に下落幅が拡大しよう。101.20レベルをも下抜ける展開となれば、100.75を目指す展開を意識したい。上値は、102円台へ再上昇出来るかどうかが焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3967:3月13日高値 1.3951:5月6日高値
サポート 1.3872:5月6日安値 11.3847:21日MA

レジスタンスラインを完全に突破したことで、ユーロドルはさらに上値トライの可能性が出てきた。目先の焦点は、1.3967(3月13日高値)の突破だろう。一方、下値は1.3850前後で推移している21日MAを維持出来るか、この点が注目される。

Today’s Chart 

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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