米株&海外経済指標にらみの一週間

Market Overview-乱気流(米株安)を切り抜けるまでは

先週木曜日以降に発表された米国経済指標は総じて市場予想を上回る内容となった。異例の寒波による米国経済の失速は、一時的な現象である可能性が一段と強まったわけだが、グローバル金融市場では依然としてリスク回避優勢のムードが強まっている。
この背景には、リスク選好の先導役である米国株式の不安定化があることは言うまでもない。先週の世界株式の週間騰落率を確認すると、これまで世界的株高をけん引してきたダウ平均がマイナス2.35%と、大幅な落ち込みを見せた。米国経済に対する特段の新たな悪材料が発生したわけではなく、乱気流に飲み込まれている状況となった米株だが、それ以上にひどかったのは、日欧の株式市場だ。リスク選好の先導役である米国株式が不安定化しているタイミングでの追加緩和見送りというショックも加わり、日経平均はマイナス7.33%の週間下落率を記録。ウクライナ問題という地政学的リスクに直面する欧州株式では、ドイツDAXのそれがマイナス3.92%、フランスやイタリアの株価指数も軒並み下落した。

今後も日欧株式の自律反発の可能性は低い。日本では追加緩和見送りに加えて、今後は消費増税の影響から国内経済の落ち込みも国内株式にとって懸念材料となろう。一方、欧州株式は2つのリスクに直面している。ひとつは上記のウクライナリスクだ。先週ワシントンで開かれていたG20では、ウクライナの支援強化へ向け、ひとまず欧米とロシアが足並みを揃えた恰好となったことは朗報だが、ウクライナ東部の主要都市で親ロシア派勢力とウクライナの治安部隊が衝突し死者が出る事態に発展する等、今後武力衝突にまで発展する可能性が燻っている。親ロシア派の背景にはロシアが関与しているとの指摘もあり、今後もウクライナリスクは欧州株式のネガティブ要因となろう。また、ディスインフレ懸念がくすぶる中でのユーロ高も懸念材料だ。ユーロドルが節目の1.40をターゲットに上昇し続けている状況を踏まえ、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は12日にワシントンで記者団に対し、ユーロ相場が一段と上昇すれば、さらに金融刺激策を実施することになるだろうと発言した。

新興国市場も米国頼みの状況考えるなら、リスク選好への回帰は、乱気流(米株安)を切り抜けるまで待つしかないのが現状だ。

 

Today’s Outlook -米企業決算と海外経済指標

その米国株式は、今週も企業決算に左右される展開となろう。今週はシティグループ、バンクオブアメリカやゴールドマン・サックスといった大手金融機関や、インテル、グーグルそしてIBMといったハイテク企業の決算発表が目白押しとなっている。企業収益の改善が示唆される内容が続けば、米株では徐々に底打ち感が強まろう。逆に冴えない内容が続けば、ダウ平均およびS&P500は200日MAを視野に下値を模索する状況が続こう。そのような展開となれば、日経平均にもさらなる下落圧力が強まることで外為市場では円高圧力が強まろう。ドル相場は米金利の動向に左右される状況が継続するだろう。ただ、これ以上株安が進行するようなら、対新興国や高金利通貨でドル買い優勢の展開となる可能性があろう。これ以上の世界的な株安は、金利低下によるドル売り圧力以上に、リスク回避のドル買い需要を強める可能性があるからだ。実際、先週末は対新興国通貨や豪ドルでドル買い優勢の展開となり、ドルインデックスは反発した。
 
米企業決算以外で注目すべきは海外経済指標だろう。今週は欧米のそれらに加え、16日には中国の各種マクロ経済指標が発表される。先週の上海総合指数は政府による景気支援策への根強い期待感に支えられ、週間騰落率はプラス3.48%と堅調だったものの、成長モメンタムの減速傾向は否めない。16日の経済指標が総じて下振れる内容となれば、中国リスクが世界の株式市場の押し下げ要因となろう。 一方、欧米経済指標では、本日の米小売売上高(3月)をはじめ、17日まで重要経済指標が目白押しとなっている。特に注目すべきは米経済指標だろう。米株が乱気流に直面する状況が続いても、米国経済の持続的な回復が確認されれば、リスク選好へと回帰する可能性が残るからだ。

また、今週はイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の講演も予定されている。現状を考えると、警戒すべきは“タカ派サプライズ”発言だが、直近の連邦公開市場委員会(FROM)議事録を踏まえれば、その可能性は低いと思われる。

 

Today’s Chart Point

レジスタンス 102.67:一目/基準線(日足) 102.20:レジスタンスポイント
サポート 101.20:一目/基準線(週足) 100.75:2月4日安値

101.20レベルの維持が下値の焦点となろう。下方ブレイクする展開となれば、重要サポートポイント100.75を視野に入れる展開を想定したい。レジスタンスの焦点は、102.20レベルの突破だろう。このポイントを上方ブレイクすれば、基準線(赤ライン)トライの可能性が高まろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3950:レジスタンスポイント 1.3900:レジスタンスポイント
サポート 1.3820:一目/基準線 1.3800:サポートポイント

1.39台への攻防へとシフトした場合は、1.39ミドルレベルの突破が次の焦点となろう。3月17-18日はミドル手前で上値が抑えられ、その後1.37割れの展開となった経緯がある。下値は引き続き1.38台の維持が焦点となろう。1.38前半には一目/基準線と21日MAが密集している。

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