リスクオン回帰にはまだ時間が必要

Market Overview-強まるリスクオン優勢ムードだが

ダウ工業株30種平均は3日続伸し、S&P500種株価指数は過去最高値を更新。米株高を背景に米金利には上昇圧力がかかり、金相場は軟調な地合いが継続。そして外為市場では円安トレンドが継続する等、リスクオンの先導役である米国株式が堅調に推移し続けていることを受け、グローバル金融市場では徐々にリスクオン優勢のムードが強まっている。この根底にあるのが米国経済回復への期待感であることを考えるなら、本日発表される米経済指標が総じて強い内容となれば、リスクオン優勢ムードがさらに強まる可能性があろう。

しかし、リスクオンの回帰にはまだ時間を要するだろう。ウクライナリスクや新興国リスクに加え、米金利の動向が新たな不安要素として台頭する可能性がくすぶり続けているからだ。今後、米緩和マネーが先細りすることが確実な情勢の中、連邦準備理事会(FRB)サイドの言動次第で、再び米金利が不安定化するリスクは否定できない。このリスクの軽減要因として注目されるのが、日欧の金融政策だろう。消費増税による景気減速を食い止めるために日銀は早晩追加緩和の導入に迫られるだろうが、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会でドラギ総裁も近い将来の緩和強化を示唆するならば、米金融政策のリスクを日欧緩和マネーが相殺する可能性をマーケットは意識しよう。リスクオンの土台である米国経済の持続的な回復と日欧緩和マネーが合わさることで、グローバル金融市場がリスクオンへと完全に回帰すると考えられる。

 

Today’s Outlook -週後半のイベントを意識する展開に

外為市場では、引き続き株式動向と米経済指標にらみの展開となろう。リスクオンの先導役である米国株式が堅調さを保ち続けていることで、グローバル株式もリスクオン優勢ムードが強まっていることを考えるなら、外為市場では根強い円安トレンドが継続する可能性がある。しかし明日以降、欧州中央銀行(ECB)理事会と米雇用統計(3月)の発表を控えているタイミングを考えるなら、株高を背景とした急激な円安加速の可能性は低いと思われる。ドル円は下記「Today’s Chart Point」で指摘したレジスタンスポイント、ユーロ円は3月7日高値143.79レベルをトライするかどうか、まずはこの点に注目したい。

一方、米経済指標に関しては、日本時間21時15分発表のADP雇用統計(3月)に注目が集まろう。市場予想を上回る内容となれば、雇用統計への期待感を背景に緩やかな米金利の上昇とドル高優勢の展開になると考える。市場予想を下振れた場合は、逆の展開になるのではないか。尚、23時には製造業新規受注(2月)が発表される。市場予想は+1.2%と、前回-0.7%から急速に改善する見通しとなっている。結果次第では、寒波が米国経済に及ぼした悪影響は限定的であると、マーケットは認識しよう。その場合、米国株式が史上最高値圏を維持することで、外為市場ではNYタイムの引けまで円安優勢の展開が続く可能性が出てこよう。

 

Today’s Chart 

ドル円チャート
ユーロドルチャート

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 104.00:レジスタンスポイント 103.76:3月7日高値
サポート 103.76:3月7日高値 102.48:一目/基準線(赤ライン)

3月7日高値103.76が視野に。このレジスタンスポイントの突破に成功すれば、104円台を目指す展開となろう。一方、下値は目先、103円台の維持が焦点。ただ、102.50レベルまでの反落ならば、調整の範囲内と考えられる。朝方のオーダー状況を確認すると、103.75&104.00には厚いオファーが観測されている。ビッドは103.00&102.50レベルに観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3876:3月24日高値 1.3845:3月20日高値
サポート 1.3705:3月28日安値 1.3685:一目/雲の下限

昨日、日足の一目/基準線を一時的にせよ突破した。しかし、1.38前半における上値の重さは相変わらず続いている。1.3850レベルの突破に成功すれば、3月24日高値1.3876レベルが次の焦点として浮上しよう。一方、1.3850以下の水準で上値の重い展開が継続すれば、1.37割れの可能性を意識したい。朝方のオーダー状況だが、1.3750以下から断続的にビッドが並んでいる。

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