ギリシャショック拡散せず 焦点は株式動向

Market Overview-リスクセンチメントの悪化は見られず

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25日に実施されたギリシャ総選挙では急進左派連合(SYRIZA)が勝利し、党首のチプラス氏が同日首相に就任。右派「独立ギリシャ人」と連立政権を組むことでも合意した。ただ、これらの動向が想定の範囲内であることは、週明けの欧州マーケットが示唆している。ストック欧州600指数が7年ぶりの高値水準まで上昇すれば、主要な欧州株価指数もギリシャのそれ以外は欧州中央銀行(ECB)の緩和強化を背景に軒並み堅調に推移した。債券市場ではポルトガル10年債利回りが過去最低を更新。また、イタリアやスペインの国債利回りも低水準で安定的に推移した。一方、米国株式市場は史上最大級の暴風雪が迫る中でも、小幅高で取引を終了。主要な新興国株価指数は総じて堅調に推移し、且つVIX指数が昨年12月29日以来の水準まで低下する等、ギリシャショックによるリスクセンチメントの悪化は見られない。

一方、海外時間の外為市場では、ユーロが買い戻される展開に(リスクイベント終了後によくみられるポジション調整)。グローバル株式市場が安定して推移したことで、円相場全体も円安優勢の展開となった。

ギリシャの総選挙は予想通りの結果に終わったが、今年2月末以降もトロイカ側(EU、ECB、IMF)からの金融支援を受け続けるために、新政権は現実的な路線(緊縮政策の継続)を選択せざるを得ないだろう。昨日の欧州マーケットの反応はこの点を既に見通している。だが、ギリシャの基礎的財政収支が既に黒字化している現状を踏まえ、ギリシャ新政権がトロイカ側に対して「譲歩」を促す可能性がある。ギリシャに選択の余地はないが、急進左派連合(SYRIZA)とトロイカ側との交渉が難航することも予想される。このためギリシャリスクが完全に後退したと判断するには、少なくとも2月上旬まで待つ必要があろう。また、米国株式市場で上値の重い状況が継続している点も考えるなら、株式市場の不安定化による円高リスクへの警戒心を常に持ち続けるべきだろう。

Today’s Outlook -焦点は株式動向

円相場のトレンドは株式動向次第だろう。グローバル株式市場の安定化に伴い、27日の国内株式市場も堅調に推移する可能性が高い。株高維持ならば円安優勢の展開を想定したい。ドル円は下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」で指摘している通り118.90レベルの攻防が焦点となろう。ユーロ円はショートカバー継続が想定される。ただ、ECBの緩和強化とくすぶり続けるギリシャリスク、そして米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることを鑑みるに、上値余地は限定的だろう。戻り売りスタンスで臨みたい。

海外時間は英米経済指標に注視したい。日本時間18時30分に英国の10-12月期国内総生産(GDP、速報値)が発表される。予想(前期比:0.6%増、前年同期比:2.8%増)以下ならば、利上げ観測が後退しポンド売りを誘発しよう。対ドルでは重要サポートポイント1.4814レベル(2013年7月9日安値)を視野に下落幅が拡大する可能性がある。

NY時間では各種米指標データと企業決算(キャタピラー、アップル、ヤフー)に米株のトレンドが左右される展開となろう。警戒すべきは総じて冴えない内容となった場合だろう。FOMCを控え米ファンダメンタルズ改善期待が後退すれば、米株では調整色が強まろう。この場合、外為市場ではユーロのショートカバーと同時に円を買い戻す動きが強まろう。株安で不安定化しやすい新興国通貨は対ドル、ユーロそして円で軟調な地合いとなることが想定される。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 119.59:リトレースメント76.40% 118.88:リトレースメント61.80%
サポート 117.18:1月21日安値 117.00:サポートポイント

株高維持ならば118.90レベルをトライする展開となろう。リトレースメント61.80%を突破すれば、119円台再上昇は時間の問題となろう。一方、下値は引き続き117円台の維持が焦点となろう。尚、直近のオーダー状況だが118.50、119.00にはオファーが観測されている。119.00上にはストップの観測もある。ビッドは117.50、117.00前後そして116.90レベルにそれぞれ観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.1331:リトレースメント38.20% 1.1300:レジスタンスポイント
サポート 1.1100:サポートポイント 1.1050:サポートポイント

ショートカバー継続の場合、焦点は1.13台への再上昇となろう。ただ、ECBの緩和強化やギリシャリスクを鑑みるに、上値は限定的となる可能性がある。戻り売りレベルとしては直近高安リトレースメント38.20%&50.00%を想定したい。尚、1.13、1.1350及び1.1400にはそれぞれオファーが観測されている。
一方、下値は1.11台の維持が焦点となろう。1.1095レベルのストップをヒットした場合、ビッドが観測されている1.1050が次のサポートポイントとして浮上しよう。

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