6月中はドル安とリスク選好継続を想定

Market Overview

23日から本日早朝にかけての外為市場は、英国がEUに残留するとの思惑から英ポンドが急伸。対ドルでは年初来高値を更新し、昨年12月以来となる節目の1.50台到達に成功した。対円でも急伸し、今月1日以来となる160円台へ再上昇した。ドル円(USD/JPY)でも円安圧力が強まった。ポンド円(GBP/JPY)をはじめとしたクロス円の上昇と世界的な株高に牽引され、本日6時過ぎに高値106.84レベルまで上昇。その後は利益確定売りに圧され、105円台へと反落する局面が見られた。

一方、23日の原油価格(WTI8月限)は終値ベースで50ドル台を回復。株高と原油高を背景に米金利は各ゾーンで上昇。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.7870%まで上昇する局面が見られた。

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Analyst's view

EU離脱の是非を問う英国の国民投票は、日本時間の本日早朝に締め切られた。調査会社YouGovによれば最新予測は残留が52%、離脱が48%となっている。グローバル市場は、昨日海外時間よりメインシナリオである「残留」を見越した動きが強まり、欧米そして新興国株式市場は総じて上昇。NY原油先物(8月限)も節目の50ドルを回復した。外為市場では円安基調が鮮明となった。これらの動向は想定通り。問題は「英国リスク」後もリスク選好トレンドが継続するかどうかだろう。

目下、リスク選好継続の鍵は「ドル安」にあることはこのレポートで指摘済み。米ドルの方向性を示すドルインデックスは、先月4日以来となる93.00レベルまで低下中。直近のイエレン発言を鑑みるに、FED内のコンセンサスは「ドル高圧力を高めることなく金融政策の正常化を推し進める」ことにある。よって、目先は無暗にドル高圧力を高める発言がFED内から出る可能性は低い。そのような発言がFEDサイドから出るならば、やはり7月以降に発表される重要指標データの結果を見てからだろう。よって、6月中はドル安継続とリスク選好優勢の展開を想定したい。

外為市場では、資源国通貨や新興国通貨が最もドル安を土台としたリスク選好の恩恵を受けるだろう。一方、最も売り圧力が強まり易いのが日本円となろう。円安の牽引役はクロス円となるだろう。ただ、クロス円でもパフォーマンスにはバラつきが見られよう。資源国通貨や「英国リスク」をこなした英ポンドは堅調に推移する一方、ユーロ円(EUR/JPY)の上昇幅は限られる可能性がある。その要因はドラギECBの緩和強化スタンスにあろう。直近のドラギ発言から、市場は今後その可能性(=さらなる金融緩和の可能性)を常に意識せざるを得ず、事実、独10年債利回りは一時初のマイナイス圏へ突入するに至った。ユーロドル(EUR/USD)のトレンドを見極める上で、米独10年債利回り格差は非常に重要な指標となるが、ドル安の影響を独金利の低下が相殺する可能性がある(=米独金利差が拡大する可能性がある)ことを考えるならば、EUR/JPYの上昇幅も限定的となる展開が想定される。言い換えれば、日欧の金融緩和を意識したリスク選好の「円&ユーロ売り」が同時に発生する状況に陥るということだ。

USD/JPYは、ドル安が上値の圧迫要因となる以上、クロス円の動向次第で戻り高値の水準が決定されよう。テクニカルの観点からは、レジスタンスラインがひとつの焦点となるだろう。今日現在、このラインは109.35前後で推移している。


【ドルインデックス日足チャート】

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【ドル円日足チャート】

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