4月の米指標データ ドル相場反転のきっかけとなるか

アナリストの視点-ユーロ買い継続

チャート

4月30日の海外外為市場はユーロ買い優勢の展開に。EUR/USDは欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策を開始した水準まで反発(高値1.1266レベル)。EUR/GBPは4月7日以来となる0.7335レベルまで急上昇し、ポンド相場を圧迫する要因となった。
一方、円相場全体を俯瞰すると、NYタイム中盤まではドルストレートでのドル安を背景に円安優勢の展開に。EUR/JPYは約2ヶ月ぶりとなる134.50レベルまでユーロ高が進行した。その後はドルの買戻しが散見されたことでクロス円の上値がレジストされた。結果、USD/JPYは高値119.89レベルを付けた後119.30台まで反落。その後は119円ミドル前後でこう着したまま、本日の東京時間を迎えている。

昨日の米国マーケットは株式が続落したにもかかわらず、米金利は横ばい圏で推移した。株式/債券市場共に月末に絡んだポジション調整主体の値動きと思われるが、米連邦公開市場委員会(FOMC)後、「株安 / 金利反発」が同時発生している点は気がかり。本日より4月の米指標データが順次発表されるが、イエレンFRBが指摘している通り1-3月期の米景気低迷が特殊要因(=悪天候 / 湾岸ストライキ)による一時的な現象であったと、4月の指標データで証明された場合、米早期利上げ観測が再台頭しよう。それを背景に「株安 / 金利上昇」局面が多く散見されれば、「リスク回避」のドル高回帰となろう。特に4月の米株は上値トライとなっていた分、5月の「Sell in May」で下落する可能性があり要注意。

直近の米金利は反発基調にあるものの、EUR/USDでの上昇トレンドは継続中。考えられるのは①欧州株式の先高観、②独金利の反発基調、③ユーロショートの調整という3つの要因が絡み合っているからだろう。

直近の欧州株式は調整地合いにあるが、ECBの緩和マネー流入とそれに伴う景気回復期待を背景に今後も株高継続の公算が大きい。株高継続ならば、ロングに偏り過ぎた独連邦債の調整がさらに加速することで米独金利差縮小観測が意識されよう。米金融政策への不透明感が強まる中、欧州マーケットでこれらの状況が続く限り、再びドル高局面が訪れる前に高水準で積み上がっているユーロショートを調整しようと外為市場の参加者はショートカバー(=ドルロングの調整)をさらに仕掛けてこよう。
反転のきっかけは4月の米指標データにあるが、それらで冴えない内容が続けばEUR/USDは節目の1.15レベルを視野に上昇圧力がさらに強まる可能性があろう。

本日の焦点-注目は4月の米ISM指数

日本時間23時に4月の米ISM製造業景況指数が発表される。前回値51.5から52.0に改善する見通しとなっているが、冴えない内容となれば1-3月期の米景気低迷が特殊要因以外にあるとマーケットは勘ぐろう。この場合、直近の独金利反発基調も材料視されることでEUR/USDは目先の上限1.15へ向けユーロのショートカバー(=ドルロングの調整)が継続しよう。逆にISM指数が良好な内容となれば、ドルの買戻し圧力が強まろう。

円相場は、前者(=冴えないISM指数)の場合はドルストレートでのドル安が、引き続きクロス円のサポート要因となろう。後者の場合はドルストレートでのドル高がクロス円の上値をレジストするだろうが、円高が加速するかどうかは欧米株式の動向次第だろう。欧米株式が反発すればドル高圧力を相殺しボックス相場が想定される一方、株安となればクロス円が円高のけん引役となろう。USD/JPYはクロス円に左右される状況が継続しよう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.05:一目/雲の上限 119.89:4/30高値
サポート 118.94:一目/雲の下限 118.50:サポートポイント

118.50-120.00を目先の中心レンジと想定。まずは21日MA(赤ライン)と日足の一目/基準線(緑ライン)での攻防を見極めながら、トレード戦略を決定したい。昨日は、ローソク足の実体ベースでこれらテクニカルポイントの突破に失敗している。RSIが売り買い分水嶺の50.00レベルでこう着していること、そして120.00レベルではオファーが観測されていることも鑑みるに、119円ミドルレベル以上ではドルショートで臨みたい。
ロングを仕掛けるなら一目/雲の下限以下の水準だろう。ただ、118.50割れリスクを常に意識しストップは付加しておきたい。
尚、直近のオーダー状況だが118.50下と118.40下にはそれぞれストップが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1295:リトレースメント76.40% 1.1266:4/30高値
サポート 1.1100:サポートポイント 1.1080:5日MA(緑ライン)

1.12台の攻防へとシフト。目先の攻防分岐は、4月13日安値1.0520からの76.40%戻しとなろう。このテクニカルをも突破すれば、2月中旬に相場をレジストした1.1450レベル、そして節目の1.15を視野にユーロのショートカバーが継続しよう。一方、下値は目先、1.11台の維持が焦点となろう。1.10台の攻防へシフトした場合は、4月30日のNYタイム以降相場をサポートした1.1070台の攻防に注視したい。尚、このレベルには本日5日MAが推移している。

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