焦点は米インフレ動向

Overview

12日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。この日発表された11月生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回り、米株が最高値を更新したことを受け、米10年債利回りは2.4%台の水準を回復した。米金利の上昇は米ドル相場の押し上げ要因となり、ドル円は113.74まで上昇する局面が見られた。一方、ユーロドルは1.1790レベルから1.1716まで米ドル高が進行した。NYタイム後半に米10年債利回りが低下基調へ転じたことで、ドル円は113円ミドル前後、ユーロドルは1.1740まで反転した。

米国株式では、ダウ平均が前日比118ドル77セント高の24,504.80と連日で最高値を更新。増配と自社株買い枠の拡大を発表したボーイングや米金利の上昇を好感した金融株が上昇のけん引役となった。また、S&P500指数も2,664.11と最高値を更新した。NY原油先物1月限は、米エネルギー情報局(EIA)が来年度の米原油生産量を上方修正したことや外為市場での米ドル高が嫌気され、前日比0.85ドル安の1バレル=57.14と4営業日ぶりに反落した。一方、NY金先物2 月限も米ドル高を意識し、前日比5.2ドル安の1トロイオンス=1241.7と続落した。

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Analyst's view

米ドル相場のトレンドを左右する米10年債利回りは、2.4%の水準を挟んでの攻防が継続中(チャート①参照)。今週は反発基調となっているが、この状況が続くかどうか、12月FOMCを見極める必要があろう。利上げは既に市場で織り込み済み。よって、焦点は将来の利上げペースにあろう。この点を見極めるため、市場はFEDの低インフレに対する警戒レベルに注目するだろう。イエレン後のFRBは、インフレを重視するシグナルをパウエル氏がすでに発信しているからだ。2018年の利上げペースは、9月予測の時点で3回が見込まれている。だが、FED内で低インフレに対する警戒レベルが高まっていることが確認されれば、利上げペースに対する先行き不透明感が市場で意識されよう。可能性は低いが、ドットチャート(金利予測)が下方修正されることも否定できない。ハト派のFOMCとなれば、期待先行で反発している米10年債利回りには再び低下圧力が強まるだろう。この場合、ドル円は日足転換線を視野に下落トレンドを想定したい(チャート②参照)。一方、ユーロドルは21日MAの上方ブレイクが焦点となろう(チャート③参照)。一方、インフレをはじめとした経済見通しについて強気のスタンスを示すならば、ドル円は厚いオファーが観測されている114.00の突破が焦点となろう。ユーロドルは、日足一目雲の下限の維持が焦点となろう。

FOMC以外で、本日米ドル相場の変動要因として注視すべきは、11月米消費者物価指数(CPI)だろう。コア指数は前月比0.2% / 前年比1.8%と、横ばい予想となっている。市場予想以下ならばFOMCを前に「米金利低下→米ドル売り」の展開を想定したい。市場予想を上回るならば、逆の展開を想定したい。チャート分析の詳細は、別途テクニカルレポートを参照されたし。


【チャート①:米10年債利回り】

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ユーロドル】

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