目先はダウンサイドリスクを警戒

Overview

5日の海外外為市場は、ドイツの政治リスクが意識されユーロ安圧力が強まった。ユーロドルは短期サポートラインを下方ブレイクし、1.18割れの局面が見られた(安値:1.1799)。対円でも軟調地合いとなり、133円割れの局面が見られた(安値132.99)。一方、ドル円は112円台で売り買いが交錯する展開に。対ユーロでの米ドル買いにサポートされる局面が見られるも、この日の米国市場が「株安 / 金利低下」となったことで112.86レベルで米ドル買いは抑制された。

米株は、税制改革の一本化に向けた議論の進展を見極めたいとの思惑から主要3市場はそろって下落。通信株やハイテク株での調整売りも相場の重石となった。NY原油先物1月限は、米原油在庫の縮小観測を背景に前日比0.15ドル高の1バレル=57.62と小幅に反発した。NY金先物2 月限は、外為市場での米ドル高が嫌気され、前日比12.8ドル安の1トロイオンス=1264.9と続落した。

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Analyst's view

ユーロドルは5日、直近安値1.1552を起点とした短期サポートラインを大陰線で下方ブレイクした。だが、今回の下落の主因は、ドイツの政治リスクを意識したユーロ売りであって米ドル買いではない。米ドル高を軸としたユーロドルの下落には米長期金利の持続的な上昇が不可欠だが、直近は2.35%台まで再び低下中(チャート①)。その結果、今週の米独利回り格差は縮小傾向にある。米長期金利が再び2.4%台へ回復するには、両院協議会で税制改革案の一本化議論がスムーズに進行することが必須条件となろう。だが、現時点では米下院が4日の本会議で両院協議会を開くことを承認した以外、新たな報道は見られない。今後議論が紛糾するならば、米長期金利の低空飛行が継続しよう。これを背景にユーロドルは再び反発するだろう。

本日のドル円は、引き続き112円台を中心とした売り買い交錯相場を想定したい。だが、5日のレポート「ロシアゲート疑惑と米株の動向」でも指摘したとおり、現在の米株は調整色が強まっている。このタイミングでロシアゲート疑惑が再燃すれば、米国市場は一時的なリスク回避相場(=株安 / 金利低下)となろう。よって、目先はダウンサイドリスクを警戒したい。米国市場がリスク回避相場となる場合、目先の下値攻防分岐は111.95レベルを想定したい。この水準には日足転換線と10日MAが密集している(チャート②)。これらテクニカルの下方ブレイクは、111.00再トライのシグナルとして警戒したい。一方、上値の攻防分岐は113.10レベルを想定したい。
ユーロドルは目先、ドイツ政治の動向次第で上下に振れる展開となろう。ドイツ社会民主党(SPD)は7-9日に党大会を開くが、SPD内にはメルケル独首相率いる最大会派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立に対する拒否感が根強い。再選挙リスクがくすぶる以上、本日以降21日MAトライを警戒したい(チャート③)。


【チャート①:米10年債利回り】

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ユーロドル】

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