ユーロ高の要因と今後の注目ポイント

Overview

11月30日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。月末要因の米ドル売り圧力にドル円は下落する局面が見られた。しかし、税制改革期待を背景にこの日の米国マーケットが「株高 / 金利上昇」となったことを受け、NY時間に112.63まで上昇した。クロス円も総じて円安優勢の展開となった。一方、この日は欧州通貨買いも目立った。ユーロドルは欧州時間に1.1807まで下落後、1.1931まで反発。ポンドドルは、前日からのポンド高トレンドを引き継ぎ9月25日以来となる1.3548まで急伸する局面が見られた。

米株は、税制改革期待を背景に主要3指数がそろって上昇。NY原油先物1月限は、OPEC総会での協調減産の延長合意が好感され、前日比0.10ドル高の1バレル=57.40と4営業日ぶりに反発。一方、NY金先物2 月限はリスク選好相場を受け、前日比9.5ドル安の1トロイオンス=1276.7と続落した。

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Analyst's view

ドル円は、直近高値114.73を起点とした短期レジスタンスラインの突破に成功(チャート①)。一方、ユーロドルは直近安値1.1552を起点とした短期サポートラインの維持にかろうじて成功した(チャート②)。現在の主要3通貨(日本円 / 米ドル / ユーロ)の力関係は、ユーロが最強通貨となっていることがわかる。ユーロ高圧力が再び強まっている主因は、良好な指標データに裏打ちされたファンダメンタルズにあろう。各PMI指数は改善基調を維持し、11月の独IFO業況指数は過去最高水準を記録した。ドイツ経済にけん引されるかたちでフランスやイタリアの成長率も改善基調にあることから、域内のQ3GDPは前年比で2.5%増と、2011年3月以来の水準まで改善している。ユーロ高トレンドが維持できるかどうか、今後は米独利回り格差の動向が焦点となろう。米長期金利が再び2.4%台の水準へ到達する一方、ECBの金融政策が意識され独長期金利は0.4%付近でキャップされ続けている。この状況が続く限り1.20台へ到達しても、それ以上のユーロ高は期待できない。目先のユーロ高維持は、米金利の動向次第と言えるだろう。本日の上値攻防分岐は、直近安値1.1552からの76.40%戻し1.1965となろう(チャート②)。

一方、ドル円の上値攻防分岐は、21日MAおよび日足基準線となろう(チャート①)。前者は112.68前後、後者は112.78前後で推移している。詳細なチャート分析はテクニカルレポートにて。


【チャート①:ドル円】

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【チャート②:ユーロドル】

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