米ドルVS円安のせめぎ合いは続く

Market Overview

16日の海外外為市場は、FOMC議事録(7月25-26日開催)の公表後、米ドル売り圧力が強まった。議事録では、多くのメンバーがインフレについて2%未満での推移が長期化する可能性について言及。これを受け外為市場では米ドル売り圧力が強まり、ドル円は110.90台から安値110.03まで急落した。ユーロドルは米独利回り格差の縮小を背景に1.1778レベルまで反発した。

一方、米国株式市場では、FOMC議事録を受けFEDの利上げペースが緩慢になるとの期待が台頭。これが好感され、主要3市場はそろって上昇した。だが、トランプ政権の政策運営能力に対する不透明感も同時に意識されたことから、上昇幅は限定的だった。国際商品市況だが、NY原油先物9月限は米国での原油生産量の増加が嫌気され、前日比0.77ドル安の1バレル=46.78と続落。NY金先物12 月限は、米ドル安が好感され前日比3.2ドル高の1トロイオンス=1282.9と3営業日ぶりに反発した。

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Analyst's view

16日に公表されたFOMC議事録では、経済が予想通りに拡大すれば資産の圧縮を比較的早期に実施するとした。一方、2017年に入り急速に鈍化しているインフレについて、多くのメンバーが2%の物価目標を下回る状況が予想以上に長引く可能性について言及していることが判明した。2017年以降、インフレの鈍化がトレンド化していることが2つの重要指標データ-PCEとCPI-で確認されたばかり。FEDもその点を重要視していることがあらためて確認されたことで、米利上げペースに対する不透明感が今後も各市場で意識されよう。だが、この点について各市場の捉え方が違う点は、昨日の米国市場が示唆している。インフレ鈍化は、米長期金利の低下要因であることは明白。トランプ政権の迷走とそれに伴うトランプ政策頓挫の可能性も考えるならば、年後半も米長期金利の低空飛行状態が継続する可能性が高いだろう。米金利がそのような状態を維持するならば、米ドル相場にも根強い売り圧力がかかり続けるだろう。一方、株式市場では、「インフレの鈍化→金融引き締めペースの鈍化」シナリオが株高要因として作用しよう。事実、昨日の米株は主要3市場はそろって上昇した。また、日米欧株価指数のボラティリティ低下も考えるならば、今後も株高トレンドは続く可能性が高い(チャート①参照)。

株高トレンドが維持される限り、ドル円をはじめとした円相場は調整による下落は散見されても、円高圧力が急速に強まる可能性は低い。ドル円は引き続き「米ドルvs円安」の状況が継続しよう。本日の上値攻防分岐は21日MAおよびオファーが観測されている111.00(108.73からの38.20%戻し)となろう。一方、サポートポイントは15日安値109.70およびビッドが観測されている109.40を想定したい(チャート②参照)。


【チャート①:日米欧株価指数のボラティリティ】

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【チャート②:ドル円チャート】

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