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株式にらみのドル円相場

Market Overview

注目された米中首脳会談は、①外交安全保障、②経済、③法執行とサイバーセキュリティーそして④社会と文化の4分野で構成される「包括対話」の設置で合意。しかし、通商・為替問題では具体的な進展が見られず、また北東アジアの緊張解決に向けた具体策も出なかった。トランプ大統領の攻めを中国の習近平国家主席が上手くいなしたかたちとなった今回の会談に対する各市場の反応は限定的だった。

一方、3月の米雇用統計は非農業部門雇用者数変化こそ市場予想を下回ったものの、失業率は4.5%まで低下。また、市場が注視していた平均時給は前年同月比で2.7%増と市場予想に一致。イエレンFRBの利上げペース鈍化を促す程のインパクトはなく、7日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。週明けのドル円は111円台を維持してのスタートとなったが、上値の重さは変わらず。株式動向次第では再び節目の110円トライの可能性は十分にある。

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Analyst's view

チャート①を確認すると、今年に入り日米の株高トレンドに息切れ感が見られ、且つ日本株のパフォーマンス低下が目立つ。一方、3月のFOCM以降、新興国株式市場のパフォーマンスが上昇していることがわかる。そして国際商品市況(CRB指数)と金価格を比較したチャート②を確認すると新興国株式同様、米FOMC以降より反発基調へ転じていることがわかる。これらの動向が示唆することは、①トランプ政権の政策運営能力への警戒感は高まっている、②しかしそれに対する期待も未だ根強い、③このため目先は米ドル安の可能性を意識し、④金を含めた国際商品市況に資金が流入すると同時に、⑤両方の恩恵を受けやすい新興国株式も堅調に推移しているということだろう。この分析で最も重要な点は、米ドル安の可能性だろう。トランプ・習会談では、通商・為替政策の問題解決に向けた「100日計画」を策定することで合意するも、具体策については先送りした。このため市場の次なる焦点は、4月中旬に議会へ提出される予定となっている米為替報告書と日米経済対話にシフトしよう。特に後者の会談で、中国よりもくみし易い相手として見られている日本を米国サイドが攻めてくる可能性がくすぶる以上、ドル円の上値も抑制された状況が継続しよう。

政治動向以外で、今週注視すべきは株式動向となろう。上記の通り日米の株高トレンドに息切れ感が漂う中、今週より米企業の四半期決算が本格化する。トランプ政権への政策運営能力に対する不透明感が強まっていることで、3月FOMC以降、米10年債利回りは急低下した。しかし、イエレンFRBが金融引き締め政策(利上げ&将来のバランスシート縮小)へシフトしていることもあり、2.3%台は維持している。四半期決算で米企業の好調な業績が確認されれば、株価が持ち直すことで米金利のサポート要因となろう。米金利の反発は米ドル相場のサポート要因となり、ドル円は110円台の維持に成功しよう。この場合、目先の上値焦点は直近安値110.11からの23.60%戻しであり3月30日の戻り高値レベル112.20レベルの突破となろう。このレジスタンスポイントを突破した場合は、3月16・17日に上値をレジストした113円ミドルまでの反発を想定したい。一方、市場予想を下回る決算内容が続いた場合は、米金利への低下圧力が強まろう。この場合、ドル円は110円ブレイクを想定したい。テクニカル面では、昨年後半に発生したトランプラリー高安の50.00%戻しにあたる109.93レベルの攻防が焦点となろう。


【チャート①:世界の主要株式パフォーマンス】

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【チャート②:CRB指数と金価格のパフォーマンス】  

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