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米通商政策リスクの高まりに要警戒

Market Overview

3日の海外外為市場は、円買い優勢の展開となった。週明けの米株はロシアのサンクトペテルブルグで発生した地下鉄爆破事件が投資家心理を冷やした他、週末の3月米雇用統計や米中首脳会談の内容を見極めたいとの思惑も重なり、米株の主要3市場はそろって下落。株安は米金利の低下圧力を強め、米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは一時2月27日以来となる2.321%まで低下する局面が見られた。「株安 / 米金利低下」を背景にドル円は111円割れ。NYタイムに110.85レベルまで下落する局面が見られた。クロス円でも円買い圧力が強まり、ユーロ円は2月下旬の重要サポートポイント118.25レベルを下方ブレイクした(安値118.13)。約3週間ぶりの水準まで反発していたNY原油先物5月限は、リビア最大のシャララ油田での生産再開や米石油リグ稼動数の増加が嫌気され反落。ただ、50ドル台は維持した。

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Analyst's view

直近のドル円は今年高安(118.60-110.11)の23.60%戻し(112.11レベル)で上値がレジストされ、再び110円台の攻防へシフト中。クロス円も上述のとおり円高優勢の展開となっている。欧米株式や原油先物価格の下落にフォーカスするならば、一見するとリスク回避の円高圧力が高まっているように見える。しかし、この日の欧米株式の下落幅は限定的。また、新興国株式が総じて堅調に推移し、且つ新興国通貨も、格下げリスクに直面している南アランド以外、対ドルで底堅い展開となった。爆破事件に直面したロシアの「株式 / 通貨」までが堅調に推移した事実は、現下のグローバル市場におけるリスク選好のセンチメントが未だ根強いことを示唆している。

それでも円高圧力が強まっている背景にあるのは、米通商政策(=米ドル安政策)が意識されているからだろう。トランプ米大統領は先月31日、貿易赤字の縮小を目的とした大統領令に署名し「不公正貿易」の是正に意欲を見せた。4月中旬に日米経済対話が予定されているタイミングでの上記大統領令の署名は明らかに日本へのけん制球といえるだろう。また、日米経済対話に先だって、今週末(6~7日)に米中首脳会談が開催される。上記大統領令の署名に加え、米国内の混とんとした政治情勢と政権支持率の低下を考えるならば、トランプ大統領は外交で点数を稼ぐことを主眼に置いてくる可能性が高い。今回の米中首脳会談でトランプ政権の保護主義スタンスがさらに加速していることが確認されるならば、来週以降、円高圧力が強まる可能性が高まろう。
また、米通商政策リスクを意識させやすい材料として本日は2月の米貿易収支統計に注目したい。赤字幅(対日赤字幅)が拡大していることが判明すれば、早くも日米経済対話での厳しい交渉を市場に連想させ、ドル円は下値トライの展開が想定される。目先のサポートポイントは、先月27日安値110.11レベル。この水準を下方ブレイクするならば、ビッドが観測されている110.00トライの展開となろう。だが、テクニカル面で注視すべきは、昨年後半に発生したトランプラリーの高安(118.60-101.20)の50.00%戻しにあたる109.93レベルとなろう。今週は、週足の基準線もこのテクニカルと同水準で推移している。


【チャート:ドル円チャート】

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