米金利の上昇基調維持もドル円はレンジ相場を想定

Market Overview

6日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。ロンドン時間は時間外の米金利が低下したことで米ドル売り優勢に。ドル円は113.56レベルまで下落する局面が見られた。しかし、NYタイムでは、イエレンFRBによる3月利上げ観測を背景に米金利が反発したことで米ドル相場をサポートする展開に。ただ、この日の米株が調整売りに圧されたことで、米金利の上昇圧力も後退。ドル円は114.10レベルで上値がレジストされた後は、再び113円後半へ反落した。一方、ユーロドルは、欧州タイム序盤に高値1.0640レベルまで上昇後、NYタイムは上記の米ドルショートカバーに圧され1.0575レベルまで下落する展開となった。

米国株式動向だが、この日は金融株を中心に利益確定売りに圧される展開となった。ただ、トランプ政策への期待は根強く下落幅は限定的だった。米国債券市場では3月利上げが意識され、上昇基調を維持した。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.50%台で上昇が抑制された。NY原油先物4月限は、中国需要の鈍化観測が意識され小反落した(終値:53.20 前日比-0.24%)。

bg_federal_reserve_769827

Analyst's view

米ドル相場との相関性が高まっている米10年債利回りは上昇基調を維持。だが、市場はすでに3月利上げを織り込み済み。この点は、10年債利回りが2.50%台で抑制されるパターンから未だ抜け出せない状況が示唆している(チャート①参照)。1月下旬以降より形成されたこのパターンを打破できるか否か、それは今後の利上げペース次第だろう。FEDが想定している今年3回の利上げが順調に実施される公算が高まる条件として注視すべきは、①トランプ政策の着実な実行と②米指標データの内容となろう。6日のレポートでも指摘した通り、目先は②の方が重要視されよう。今週、注目すべき米指標データは10日の2月雇用統計だが、「質」の面、つまり賃金上昇の圧力が高まっていることが確認されれば、「賃金上昇→消費拡大→米経済の成長加速」という観測を背景に、市場では年3回の利上げ期待が強まろう。それに伴い米金利にも上昇圧力が強まることで、上述したパターンから抜け出す可能性が高まろう。そして米ドル相場は、米金利に追随し緩やかな上昇トレンドを形成しよう。

 

ただ、直近のドル円の動向を鑑みるに、米ドル高圧力が高まってもドル円は昨年の米国大統領選挙後のような上昇基調一辺倒となる可能性は低い。米通商政策(=米ドル安政策)リスクが立ちはだかるからだ。米国の通商政策の司令塔である国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は6日、「日本には非関税障壁がある」と指摘し、二国間協議を通じて米国の対日赤字を是正する方針をあらためて表明してきた。また、為替操作についても厳しく対処していく姿勢を示してきた。現状、この発言に対して外為市場ではネガティブな反応は見られない。しかし、米国市場が株高と金利上昇の共存関係に回帰しつつある中でも、ドル円が115円すらトライできない状況は、上記のリスクが意識されていることを示唆している。ただ、現在はリスク回避圧力が強まるムードも見られないため、ドル円は引き続き111.60-115.00のレンジ相場を想定したい。


【チャート①:米10年債利回り】

chart1-20170307


【チャート:ドル円】

chart2-20170307

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 取引方法

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • 株価

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。

  • 料金設定とファンディングコスト

    ここでは、CFD(差金決済取引)の取引とその仕組みについて例を挙げながら紹介し、CFD取引のメリットについて説明いたします。
    さらに、料金設定とファンディングコストについても解説いたします。