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共存関係再来も上値の重いドル円

Market Overview

15日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。NYタイム序盤に発表された米指標データ(1月CPI、1月小売売上高、2月NY連銀製造業景気指数)は総じて市場予想以上の内容となり、米金利の上昇をサポートした。米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは2.524%と、1月27日以来の水準まで反発する局面が見られた。だが、1月鉱工業生産が冴えない内容となったことで、一転米ドル売り圧力が強まった。ドル円は高値114.95レベルから113.86レベルまで1円以上急落する展開に。ユーロドルは1.0521レベルから1.0609レベルまで米ドル安が進行した。

欧州株式市場は総じて堅調推移。良好な企業業績や米利上げ観測に伴う利ザヤ収益改善への期待から金融株が上昇のけん引役となった。一方、米国株式は、上述した良好な指標データやこの日下院で議会証言したイエレンFRB議長が米景気についてポジティブな見方を示したことが好感され、主要3市場(ダウ平均 / S&P500 / ナスダック総合)は連日で過去最高値を更新する展開に。NY原油先物3月限は、米原油在庫の増加が嫌気され反落。ただ、減産合意とそれに伴う供給過剰懸念の後退は根強く下落幅は限定的。前日比0.09ドル安の1バレル=53.11ドルでこの日の取引を終えた。

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Analyst's view

米国株式と米金利は、再び「株高/金利上昇」の共存関係となっている。米株(S&P500)と米金利(10年債利回り)の動向を比較したチャート①を確認すると、過去最高値を更新し続ける米株に再び米金利が追随する状況となっていることがわかる。低下圧力が強まっていた米金利の反転圧力を強めるきっかけとなったのが、イエレンFRB議長の利上げに対するポジティブな発言だった。また、2月初旬の金利低下局面が、早期利上げのヒントがなかったFOMCと抑制された賃金の上昇率に起因している点も考えるならば、現在の米金利は、株式の上昇よりもイエレンFRBの利上げペースにそのトレンドが左右されていることがわかる。昨日強い指標データに金利上昇で反応し、冴えない鉱工業生産で上昇圧力が後退した事実も利上げペースに敏感に反応しやすい相場環境であることの証左だろう。一時後退していた3月利上げの可能性がここにきて再び高まってきたことで、目先の米ドル相場は底堅い展開が想定される。ドル円は115.50レベルを上限と想定し、115円トライが散見されよう。その米ドル以上に買い圧力が強まっているのが資源国通貨や資源に依存している新興国通貨だ。例えば豪ドルは、対米ドルで目先のレジスタンスレベル0.78を視野に反発基調を維持している。一方、ブラジルレアルは9週連続で陰線が示現し、重要サポートポイント3.10台を完全に下方ブレイク。2015年5月以来となる節目の3.0トライが目前に迫ってきた(対ドル)。これらリスク性の高い通貨が選好されている状況に加え、グローバル株式も堅調推移となっている点も考えるならば、リスク選好ムードは予想以上に強いといえよう。この状況はドル円相場のサポート要因となろう。ただ、「米株高+米金利反発」をもってしても115円台の到達に失敗した事実は、昨年後半のような上昇一辺倒相場が再来する可能性が低いことを示唆している。その主因は、このレポートで指摘してきたトランプ政策の仕分けにあろう。米通商政策がドル安要因として仕分けされている現状を考えるならば、目先は「ドル高/円安」でも、常に111.60および110.00のサポートポイントをトライする展開を警戒すべきフェーズにある。


【チャート①:米株と米金利の動向】

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【チャート②:ドル円チャート】

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