米国債券市場での調整を想定

Market Overview

12日の海外外為市場でドル円は一時116.12レベルまで急伸。しかし、その後は米FOMCを前に米国株式や債券市場で調整地合いとなったことを受け反落。115円割れの局面が見られる等、荒い値動きとなった。クロス円はドル円の動きに追随し、NYタイムは総じて円高優勢の展開に。ただ、ドルストレートでの上昇が相殺要因となり下落幅は限定的だった。一方、米ドル相場は、米債券市場での金利低下を受け積み上がったロングを調整する動きとなった。対ユーロでは1.0652レベルまで反発。ただ、21日MAで上値がレジストされた。海外株式動向だが、米FOMCを前に欧米株式は強弱まちまちの展開に。ただ、この日のNY原油先物相場(1月限)が一時2015年7月6日以来の高値水準まで急伸したことが株式市場のサポート要因となった。

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Analyst's view

ドラギECBは緩和継続スタンスを表明し、OPEC減産合意後、原油先物相場をはじめとした国際商品市況は堅調に推移中。これまでリスク回避要因として意識されてきた2つの材料が、ここにきてリスク選好を加速させる要因へ転じている点を考えるならば、円相場は引き続き円安優勢の展開が継続しよう。ただ、米大統領選挙後、上昇一辺倒で来た相場だけに一度調整局面を迎えるだろう。米FOMCがそのきっかけとなる可能性があることはこのレポートで指摘済み。

FEDによる12月利上げは既に市場も織り込み済み。焦点は2017年の利上げペースだが、9月時点でのFED予測は2回。トランプ次期政権の政策運営能力や中国との軋轢が高まる可能性(=為替操作国の認定 / 中国製品に対する45%の関税強化を行う可能性)を考えるならば、9月時点の予測が維持される公算が高い(ただこの点はリスク要因でもある)。よって、これまで米ドル高を牽引してきた米国債券市場では、12月利上げという事実と翌年の2回利上げというコンセンサスがあらためて確認された後、期待先行で構築したポジション(=債券の売りポジション)を一度調整する動きに出よう。この場合、米ドル相場でもひとまず米ドル高トレンドが後退しよう。ドル円はドル安を背景に①12月のサポートポイント113.00レベル、②大陽線が示現した11月30日安値112.05レベル、③11月25/28日の調整局面で相場をサポートした111.50レベルを目指す展開が想定される。ただ、上述したように現在はグローバル市場全体がリスク選好下にある。よって、米国債券市場の調整のみに終われば、上記③を下方ブレイクする円高となる可能性は低いだろう。そのような展開となるならば、株式市場での調整が同時に発生することが条件となろう。ただ、この場合も結局は調整の円高。③のサポートポイントを下方ブレイクしても、心理的節目の110.00は維持する公算が高い。
一方、米ドル高の調整で一番恩恵を受けるのは資源国通貨および資源輸出の依存度が高い新興国通貨となろう。事実、昨日の外為市場ではこれら通貨が対ドルで軒並み上昇した。原油先物相場との相関性が高いカナダドルやロシアルーブル、世界最大の銅産出国であるチリペソは対ドルで堅調推移が続く可能性が高い(比較チャート参照)。鉄鉱石や原油を輸出するブラジルの通貨レアルも堅調に推移する可能性がある。ただ、汚職防止法の改悪や財政審議の遅れが懸念されている現状では、直近高値3.49レベルからのリトレースメント50.00%の水準にあたる3.30前後を下方ブレイクするかどうか、まずはこの点を確認したい。


【比較チャート:直近の資源国/新興国通貨の動向(対ドル)】

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