ドル円の上値トライは米国市場の「共存関係」次第

Market Overview

12日の海外外為市場ではドル高が加速した。FEDによる利上げ観測を背景に対ユーロでは節目の1.10を視野に大陰線が示現(安値1.1004)。対円では重要レジスタンスポイント104.32レベルを一時突破する局面が見られた(高値104.48)。米ドルのトレンドを示すドルインデックスは3月10日以来となる98.00レベルまで上昇した(高値98.04)。一方、英ポンドは「Hard Brexit」への懸念が和らぎショートカバーが入る局面が散見されたものの、先行き懸念は根強く10日連続で陰線が示現する展開となった。

他の市場動向だが、米金利は利上げ観測を背景に上昇基調を維持するも、昨日は往って来いの展開に。2年債利回りは0.89%まで上昇する局面が見られた。欧州株式は企業決算への懸念が意識され総じて下落。14日の金融セクター決算を控え米国株式に大きな変動は見られなかった。また、NY原油先物相場(WTI11月限)はドル高が嫌気され続落。しかし50ドルの大台は引き続き維持した。

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Analyst's view

ドル高が止まらない。米ドルの方向性を示すドルインデックスは3月上旬高値98.58レベルを視野に入れる展開となっている(日足チャート参照)。興味深いのは、米金利の上昇に米株が持ち堪えていることだろう。11日のレポート「焦点は米国マーケットの共存関係と四半期決算」で筆者が指摘した「共存関係=米株高と金利上昇の同時発生」の行方は14日以降の四半期決算を見る必要があるが、総じて良好な内容ならば、その関係が構築される展開を想定したい。

「共存関係」の構築はドル円相場のトレンドを左右する重要なポイントである。その点を示唆しているのが直近2日間の動向だった。11日の米国市場は「米金利上昇 / 株安」となりドル円は重要レジスタンスポイントであった104.32レベル手前で反落。しかし、昨日は米株が持ち堪えたことで104.32レベルの突破に一時的にせよ成功した。これまでは、①「米金利上昇→ドル高→米株安→しかし円高圧力がドル高圧力を相殺」、②「米金利低下→米株高→円安→しかし円安圧力がドル高圧力を相殺」という歪だった米国市場とドル円相場の関係が、本来あるべき共存関係(=米株高と金利上昇の同時発生→ドル高と円安の同時発生)に回帰するならば、ドル円は7月下旬の戻り高値107.50レベルを視野にドル安円高の修正が加速する展開が想定される。

懸念は上記の米四半期決算だが、まず注視すべきは明日発表される金融セクターの決算内容だろう。総じて良好ならば、まずは105円台への再上昇を想定したい。逆に冴えない内容となれば米国株式では調整圧力が強まろう。株式が崩れれば円高圧力がドル高圧力の相殺要因となり、ドル円は104円台で上値がレジストされる展開が想定される。クロス円では、ユーロ円やポンド円での円高進行を警戒したい。それぞれの下値ポイントだが、目先、ユーロ円は114.00およびトライアングルの下限(今日現在112.60レベル)での攻防に注目。一方、ポンド円は124円台の維持が焦点となろう。


【ドルインデックスチャート】

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