米指標データとドル相場の動向に要注意

Market Overview

14日の海外外為市場は、米ドル安優勢の展開となった。上値の重い米株と金利の低下を背景にロンドンフィキシングにかけ次第にドル売り圧力が強まると、NYタイムにユーロドルは1.1274レベルまでドル安が進行する局面が見られた。ドル円は102.25レベルまで反落。欧米株式の軟調地合いを背景にクロス円も円高優勢で推移した。

他の市場動向だが、原油先物相場(WTI10月限)は1バレル=43.58ドルと大幅続落。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の石油在庫統計で、ガソリンやヒーティングオイルなどの在庫が軒並み増加したことが嫌気された。原油安を背景にカナダドルは対ドルで続落。7月28日以来となる1.3208レベルまで下落する局面が見られた。ブラジルレアルも7月8日以来となる3.3497レベルまで下落する局面が見られた(対ドル)。米金融政策の方向性を織り込む2年債利回りは、0.80%でキャップされる状況が継続。この日は0.76%台まで低下した。

bg_data_1348111

Analyst's view

米ドル相場の方向性を示すドルインデックスは相変わらずこう着した(=短期サポートライン~200日MAでロックされた)状況となっている(チャート参照)。金利市場の動向から鑑みるに、9月FOMCのメインシナリオは利上げの見送り。しかし、直近の冴えない指標データを受けて尚、イエレンFRBサイドから利上げに向けた地ならし発言(=タカ派発言)が続いている事実が、米金融政策への不透明感を強めている。「Data Dependency-指標データ次第」というスタンスを堅持しながら、そしてその指標データで冴えない内容が続く中、先月下旬より利上げに対するタカ派発言が相次ぐ理由として筆者は、①大統領選挙と②金融政策の正常化がキーワードになっていると考えている。現行の金融政策に理解のあるオバマ大統領が現職であるうちに(任期は2017年1月20日まで)に少しでも金融政策の正常化を推し進めなければならないとの危機感(=新たな大統領の下では金融政策の正常化プロセスが頓挫する可能性があるとの危機感)が、イエレンFRB内のコンセンサスとして確立されているがために、直近のタカ派発言が続いたのではないか。

いずれにしても「冴えない指標データVSタカ派発言」を背景に米ドル売りを簡単に仕掛けられない状況にある中、本日から明日にかけて米国の重要指標データが順次発表される。総じて市場予想を上回るようならば米金融政策への警戒感がさらに増し、米金利には上昇圧力が強まろう。米金利の上昇を背景に外為市場では米ドルを買い戻す展開が想定される。原油先物相場が再不安定化する中での米ドル高は、株式市場の圧迫要因となる可能性が高い。ボラティリティの拡大が懸念されるのが円相場、特にドル円だろう。13日は今月7日以降、相場をレジストし続けてきた一目/転換線(チャート赤ライン)を一気に下方ブレイクするも海外時間に失速し、結局は陰線引け。一目/雲の下限(日足)トライに失敗し且つ形状が上影陰線となった点も考えるならば、これ以上の上値トライに市場が警戒感を抱いていることがわかる。米金融政策に加え、日銀の金融政策に対する不透明感も合わさっていることが上影陰線示現の主因であるならば、日経平均が「日銀相場」によりサポートされても上昇幅は限られよう。むしろ、今日から明日にかけては「良好な米指標データ→米金融政策への不透明感増大→米ドル買い→株式&原油安リスク」を背景とした円高圧力の高まりに警戒したい。想定コアレンジは、上限を一目/雲の下限103.45前後、下限を8日以降サポートポイントとして意識されている101.40と想定。


【ドルインデックスチャート】 青ライン:200日MA

dxy0915


【ドル円チャート】 赤ライン:一目/転換線 黄ライン:21日MA

usdjpy0915

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • リスクの度合いを測る

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。

  • 取引方法

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • 外国為替の取引方法

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。