ポンド相場の動向を注視

Market Overview

英中銀金融政策委員会(MPC)のマカファティー委員が英紙タイムズへの寄稿で、今後の景気動向次第では量的緩和の拡大が必要になるとの見方を表明。これを受け9日の海外外為市場では、ポンド売り優勢の展開となった。対ドルでは7月12日以来となる節目の1.30割れの展開に(安値:1.2955)。対円では132.10レベルまでポンド安が進行した。また、この日はドル高調整地合いとなり、ドルインデックスは200日MA(96.60レベル)手前で上値がレジストされた。一方、ドル円(USD/JPY)は、ドル高調整地合いを背景に上値の重い展開となるも、材料難から大きな変動は見られず101.80レベルでサポートされた。

他の市場動向だが、欧米株式は小幅に上昇。米国株式市場ではS&P500とナスダックが過去最高値を更新した。原油先物相場(WTI9月限)は、OPEC非公式会合(来月開催予定)への期待が早くも後退し、且つ米エネルギー情報局(EIA)が、今年と来年の原油生産の見通しを引き上げたことも材料視され反落(終値:42.77、前日比-0.58%)。米国債券市場では好調な3年債の入札を受け低下。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.71%まで低下する局面が見られた。

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Analyst's view

ドルインデックスは再び200日MAを視野に入れる展開となっている。今週、このMA突破の鍵を握るのは12日の米指標データとなろう。それまで重要指標データの発表は予定されていない。徐々に夏休みムードが強まっている点も考えるならば、今日と明日のドル相場は各レンジで推移する可能性が高い。円相場も同様の展開が想定される。ただ、このような状況の中でも、ポンド相場には常に注視する必要があろう。

上記の通り、ポンド相場への下落圧力が再び強まってきている。上記のマカファティー委員の発言が示唆する通り、「BREXITショック」の影響次第で、カーニーBoEはさらなる金融緩和の必要性(=追加利下げ・量的緩和の拡大)に迫られるだろう。対照的に米国サイドは、緩やかながらも金融正常化の道筋を歩んでいくだろう。市場は当然のごとく米英の金融政策のコントラストを意識しよう。それに伴い米英10年債利回り格差は拡大しよう。下の比較チャートを確認すると、「BREXITショック」以降、米英10年債利回りの動向と米ドル/英ポンド(USD/ GBP)のそれがリンクしていることがわかる。今後上記のコントラストが意識されることを想定するならば、利回りがさらに拡大すると同時に対ドルでポンドの下落幅も拡大しよう。チャート上では、重要サポートポイント1.2800のトライおよび下方ブレイクを常に警戒すべきフェーズへシフトしていると言える。

ポンド円(GBP/JPY)は株高の影響もあり約1ヵ月の間、130円台の維持に成功している。しかし夏休み明け後、市場はカーニーBoEだけでなくドラギECBの緩和強化観測にも注目していくだろう。欧州通貨売りを震源地としたドル高圧力が強まれば、国際商品市況の圧迫要因となろう。そのような展開となれば、株式市場でも徐々に下落圧力が強まることが想定される。この場合、ポンド円は金融緩和強化観測とリスク回避のダブルパンチを浴びることで節目の130円割れはおろか、「BREXITショック」時の安値128.79レベルをも下方ブレイクする可能性が高まろう。


【比較チャート】緑ライン:米ドル/英ポンド(USD/GBP) 赤ライン:米英10年債利回り格差

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【ポンド円日足チャート】

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