ドル高リスクを警戒

Market Overview

19日の海外外為市場は、ドル高優勢の展開となった。この日発表された米住宅関連の指標データが市場予想を上回ったことを受け、米経済の先行き不透明感が後退。一方、欧州委員会はこの日、英国経済のリセッション入りの可能性および今年・来年のユーロ圏経済の成長率を下方修正した。これらが材料視され、外為市場では「ドル買い・欧州通貨売り」の展開に。ユーロドル(EUR/USD)は心理的節目の1.10トライの局面が見られた。ポンドドル(GBP/USD)は1.3073と、今月12日以来となる安値水準までポンド安・ドル高が加速した。

他の市場動向だが、原油先物相場(WTI8月限)はドル高が嫌気され続落(終値:44.65ドル)。ドル高は国際商品市況全体の押し下げ要因ともなり、外為市場での資源国・新興国通貨売り圧力を強めた。一方、米金利は原油相場の続落や欧米株式が強弱まちまちの展開となったことを受け、低空飛行状態が継続中。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.70%手前で上昇が抑制される状況が続いた。

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Analyst's view

昨日の海外動向で筆者が注目したのが、ドルインデックスだった。「BREXITショック」以降、200日MAでレジスト状態が続いていたドルインデックスだったが、昨日陽線の出現によりこのMAを一気に上方ブレイクした。このブレイクが「だまし」の可能性は残る。しかし、レジスタンスラインとの乖離が3%近くまで拡大している状況を考えるならば、「BREXITショック」とその波及リスクを背景とした欧州通貨売りがドル安トレンドを転換させつつあることは明白であり、ドラギECBとカーニーBOEの金融緩和強化により、この状況(欧州通貨安→ドル高)が加速する展開を2016年後半は常に警戒すべきであることを昨日の動向は示唆している。

今年3月のFOMC以降、「ドル高=株安」「ドル安=株高」という構図が鮮明となっていることはこのレポートで指摘済み。ファンダメンタルズおよびテクニカルの両面でドル高圧力が強まっている事実は、現在の株高トレンドを転換させる可能性があるため要注意。また、ドル高は国際商品市況、特に原油先物相場の下落リスクも高めるだろう。事実、後者にかんしては、7月5日の大陽線出現によりドルインデックスが再び200日MAをトライするムードが高まって以降、WTI8月限は直近のサポートポイントである44ドルをトライするムードを徐々に強めている。欧州通貨売りを震源地としたドル高がさらに加速すれば、「ドル高→国際商品市況下落(原油先物相場下落)→資源国・新興国通貨売り圧力増大→さらなるドル高」というプロセスを経てリスク回避圧力が強まろう。その過程では株安圧力も強まっていることが想定されるため、外為市場では、先週からの円安トレンドが一変する展開を警戒したい。

円相場で注視すべきは、レジスタンスラインのトライという重要局面にあるドル円(USD/JPY)だろう。レジスタンスラインを突破する前に上述したリスク回避の展開となれば、テクニカル面でも「2016年は円高トレンド」であることを市場関係者に強く印象付けよう。ドル円(USD/JPY)は常に100円再トライの展開を警戒したい。

【ドルインデックス日足チャート】  青ライン:200MA(今日現在96.60レベル)

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