日銀の前に立ちはだかる冷徹な現実

Market Overview

26日の海外外為市場は、冴えない米指標データを受けドル売り優勢の展開となった。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちムードが強まっていることもありドル売りは限定的。ユーロドル(EUR/USD)は21日以来の水準まで反発する局面が見られたが、21日MAで上値がレジストされた。

円相場は円安優勢で推移した。牽引役はクロス円。ドル売り、原油価格の反発そして強弱まちまちながらも新興国を中心に海外株式が底堅さを維持していることがクロスでの円売りを誘発した。ドル円(USD/JPY)も追随し、NYタイム後半に111.47レベルまで反発する局面が見られた。
米金利は冴えない米指標データではなく、堅調な原油価格の動向に反応し反発基調を維持。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは先月29日以来となる0.87%台まで反発する局面が見られた。

日銀

Analyst's view

米FOMCを前にしてもリスク選好の先導役である米株は高値圏を、原油価格をはじめとした国際商品市況(CRB指数)は反発基調をそれぞれ維持している。また、EU離脱リスクに直面している英ポンドも直近は買戻し圧力が強まっている。これらはリスク選好への回帰トレンドが根強いことを示唆している。この状況が継続するかどうかは、さらなる金融緩和の強化を目論む黒田日銀にとって重要な問題だろう。なぜなら、円相場や国内株式の前には、日銀の金融政策ではなくグローバル市場のトレンドに左右されるという冷徹な現実が、年初以降立ちはだかっているからだ。

ドル円(USD/JPY)は22日、「日銀は金融機関向けの貸し出しにもマイナス金利の適用を検討している」との一部観測報道を受け、111.81レベルまで急伸した。また、市場関係者の間でも、年初から「円高・株安」が急速に進行したことから、4月27-28日に開催される金融政策決定会合で「質・量・金利」の総合的な金融緩和の強化が決定されるとの観測が高まっている。
黒田日銀がそれに踏み切った場合、円相場と国内株式はどのような反応を示すのか?この点を見極める上で重視すべきは、緩和強化の内容ではなく、現在のグローバル市場のトレンドが1月とは真逆であるということだろう。1月会合でのマイナス金利導入時は、グローバル市場全体がリスク回避圧力に覆われているタイミングでの決定だった。しかし、現在のグローバル市場は、上記の通りリスク選好回帰の状況下にある。1月会合後の「円高・株安」はグローバル市場がトレンドの決定要因であるという冷徹な現実を市場関係者に突き付けた点を考えるならば、今週の会合で日銀が金融緩和の強化に動いた場合、リスク選好回帰という土台を上手く踏み台にし「円安+株高」圧力が強まる展開が想定される。その場合、ドル円相場はテクニカル面で2月16日の戻り高値114.88を起点とした短期レジスタンスライン(今日現在113.10前後)を突破できるかどうか、この点が注目される。それを達成すれば、115円台を視野にさらなる上値トライの展開が想定される。

だが、金融緩和の強化は市場である程度織り込まれている。よって、リスク回帰トレンドに変化が見られれば、その賞味期限(=円安・株高の継続期間)はすぐに終わりを迎える可能性がある。そのトレンドは、本日の米FOMCとドル相場の動向に左右される可能性がある点は指摘済み。

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