徐々に整うUSD/JPY110円トライの土台

Market Overview

22日の海外外為市場は、原油価格の急反発と世界的な株高を背景に資源国&新興国通貨買い優勢の展開となった。特に原油価格との相関性が高いロシアルーブルは対ドルで2%を超える上昇率となった。

一方、リスク選好を背景にユーロ相場は軟調地合いとなった。対ドルでは200日MAを下方ブレイクし、心理的節目の1.10をトライする局面が見られた。対円ではディセンディングトライアングルを形成し節目の125.00を下方ブレイク。2013年4月の異次元緩和導入時の水準(124.37)まで下落した。また、対資源国通貨でもユーロ売り優勢の展開となった。

円相場は強弱まちまちの展開に。上記の通りEUR/USDはユーロ売り圧力が勝り124円台へと下落したが、資源国通貨は堅調に推移。USD/JPYは米財務相サイドから通貨安競争に対するけん制発言もあり113.00を挟んで上値の重い状況が継続した。

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Analyst's view

リスク選好の状況下における外為市場のトレンドは、ドル高 / 円&ユーロ安になるとこのレポートで指摘してきた。今月12日以降、原油価格の下げ止まり感が出始めると同時にグローバル株式市場も徐々に安定化。それに伴い外為市場ではドル高/ユーロ安の展開となっているが、この点は想定の範囲内。この状況(=原油価格反発 / グローバル株式堅調)が続く限り、EUR/USDは下記「Technical analysis highlights」で指摘している心理的節目の1.10及び昨年12月3日安値1.0521を起点としたサポートラインを視野に下落幅が拡大する可能性が高いだろう。

問題は円相場の動向だ。クロス円では、上記の通りEUR/JPYが2013年4月の異次元緩和導入時の水準まで下落している。英国のEU離脱リスク背景にGBP/JPYも下落トレンドを形成中。そしてUSD/JPYだが、115円トライに失敗すると113円台を挟んで上値の重い状況が続いている。リスク選好局面にもかかわらず対ドルで円売りが限定的となっているということは、日米金利格差との相関性が崩れていること、そしてグローバル市場が今だリスク選好へ完全に回帰したとは考えていないというシグナルと捉えることができる。実際、投機筋の円ロングは5万枚近くまで増加中。また、日本株がリスク選好に追随出来ない点も円相場の重石となっている可能性が高いだろう。
これらの状況下で再びリスク回避圧力が強まった場合、外為市場では再度の円高が想定されるが、米国サイドがついに通貨安競争に対するけん制発言をしてきたことで、市場が期待していた円売り介入のハードルが俄然高くなってしまった。上述した外部環境(=日米金利格差との相関性が崩れていること / 英国リスク /米国サイドによる通貨安競争に対するけん制発言)に加え、国内環境(=マイナス金利の悪影響 / 経常収支の劇的な改善)も合わせて考えるならば、USD/JPYの110円トライの土台は徐々に整っていると考えられる。

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