ドル相場は対円&ユーロで軟調地合いを想定

Market Overview

9日の欧米市場は引き続きリスク回避優勢の展開となった。欧州株式は金融セクターが下落を主導した。ECBによる金融緩和状況下における金融機関の収益悪化懸念が背景にある。日本と欧州株式が総崩れとなったことで米国株式も3日続落する展開に。原油価格が1バレル=27ドル台まで下落したことも相場の重石となった。

一方、この日の海外外為市場ではドルの売り買いが交錯した。欧州タイムはドル買い優勢となるも、米国株式の軟調地合いを背景にNYタイムはドル売り優勢の局面が見られた。一方、ユーロ相場は総じて堅調に推移した。対ドルでは1.1250-60のレジスタンスゾーンを突破すると昨年10月22日以来となる1.1338レベルまで上昇。対円でもユーロ買い優勢となり、節目の130.00付近で交錯したまま、本日の東京時間を迎えている。

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Analyst's view

8日のレポートで指摘した通り、今週のドル相場は対円&ユーロで売り優勢で推移中。一方、対資源国通貨では強弱まちまちの展開となっている。後者の点について筆者は、対資源国通貨では堅調なドル相場を想定していたが、原油価格が27ドル台へ下落して尚、対資源国通貨でのドル高が思った程進行しない背景にあるのは、米金利の低下があろう。その米金利は昨年12月の利上げ後、各ゾーンで低下圧力が強まっていることは指摘済み(比較チャート参照)。1月以降に発表された冴えない米指標データに呼応するように米金利が低下し続けている事実を考えるならば、海外リスクと同時に米国経済が新たなリスク要因として市場で強く意識され始めているということだろう。「米景気先行き不透明感 vs 国際商品市況の低迷」という状況はドル/資源国通貨のレンジ相場入り要因となる可能性がある。しかし、現在の資源国通貨は一概に一括りにすることはできない状況でもある。原油価格との相関性が高いロシアやカナダ、中国への資源輸出依存度が高い豪ドルやチリペソあたりは対ドルでの軟調地合いが想定される。一方、原油生産国でありながらも純輸入国でもあるマレーシアリンギットやインドネシアルピアの下落幅は前者の通貨と比較すれば下落幅は限定的となる可能性があろう。

一方、対ドルで最も上昇しやすい通貨は、円&ユーロが想定される。上記の米国経済リスクに加え、ここまでリスク回避の震源地となってきた国際商品市況が、ファンダメンタルズのみならずテクニカルの面でも更なる下落が示唆されており(CRB指数チャート参照)、且つマイナス金利の状況下における日欧金融セクターへの収益悪化懸念が株式の新たな圧迫要因として浮上している点も考えるならば、目先、グローバル市場がリスク選好へ回帰する可能性は低いからだ。チャートポイントについては下記「Technical analysis highlights」を参照されたし。

【米金利比較チャート】青ライン:5年債 緑ライン:2年債 紫ライン:10年債 赤ライン:30年債

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【CRB指数日足チャート】

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